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「政治とカネ」の報道は魔女狩りと化している

2007年9月11日

今回は、マスコミが報じる「正義」について話したいと思う。

「政治とカネ」に関する最近の新聞の論調やテレビの報道を見ていると、これはちょっと危うさを感じる。「政治家は身ぎれいでなければいけない」……これは確かに正しい。しかし、マスコミは過剰反応し、国民は、行き過ぎた潔癖症に陥っているのではないだろうか。

ビジネスにはビジネスのルール、政治には政治のルール

僕は作家を生業としている。作家としての活動は「ビジネス」とみなされるので、収入と支出は税理士にチェックしてもらい、税務署に申告をしている。経費がたとえ1円であっても、領収書を貼り付ける。「ビジネス」の場合、これがルールだからだ。

いっぽう政治資金規正法は、5万円未満の支出の場合、領収書を添付する必要はないというルールを定めている。にもかかわらず、5万円未満の支出に対する領収書を要求し、それができないと言って責め立てるのは、事後法の考え方で、おかしい。初めから1円と法律で決めてあれば守らなければいけないが、そうではないからだ。

政治はルーズでゆるい世界だ。領収書の添付にこだわりすぎたら、政治活動が成り立たない場合もあるだろう。「5万円未満」というルールを決めたのは、そこを考慮し、当時では常識的な範囲と考えられる線で折り合いをつけたのだ。

しかし、いまは、5万円未満の支出に関しても「領収書を開示できなければ悪」といった風潮である。問題が起きたからといって、これまでのルールを反故にし、「すべての領収書を出せ」というのは理不尽だろう。

「5万円未満」に問題があるなら、「1万円以下にすべきだ」とか「1円からやるかべきだ」といった議論を政党間で大いにやればいい。そして、新たなルールが決まれば、それに従えばよい。

誰にだって、不手際はある。僕の事務所でも間違えることはある。5年に1回ぐらい、税務署がくるが、朝から夕方までひとつぐらいはミスを見つけないといけない、と必死で帳簿をめくり、1枚か2枚の領収書添付ミスを発見して、税務署員はほっとして帰って行く。

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