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たしかに「お客さまの声を大切に」と、ほとんどの企業がいう。しかし、顧客対応に組織をあげて「ヒト・カネ・モノ」を注ぎこんでいる企業が、ニュースで紹介されるくらいなのだから、まだまだ少数なのだろう。

それでも「情報提供は大切」だとする。実際に企業サイトの機能でも、情報発信は重要視される。しかし、そこには適切な情報を発信する発想は薄い。対象に対応した情報提供は、往々にして「そんなにお金がかかるの」となる。

要するに、必要な情報を提供するよりも、知らせたい情報を提供することの方に熱心なのだ。

そう考えると、賞味期限や産地の偽装も説明がつく。必要だからではなく、知ってほしいと発想するから、データも改竄するわけだ。そういえば、全国学力テストでトップだった秋田県が、県教職員組合の組織率では東北トップなのに、「日教組の強いところは学力が低い」とする中山成彬サン(たぶん個人としての発言でしょう)も、データを無視して知らせたい情報を発信する事例だろう。

結局のところ、中山システム問題は、中山成彬サンの個性でもなんでもなく、いまの傾向にすぎない。議員として「政治生命を賭けてでも」( 9月29日毎日jp)としても、それを情報として伝える方法は、いまは懐かしい「ささやき女将」と似ている。

しかも、知らせたい情報だけを発信しつづけるのだから、橋下大阪府知事のいう「戦略的」(asahi.com 9月29日)だろう。しかし、情報を扱うシステム屋やWeb屋からいわせれば、情報発信に戦略など持ち込まれては、「嘘もあり」になってしまい、タマッタものではない。しかも「戦略的」なんていうと、だいたいが失敗する。

そもそも、知らせたい情報を発信するだけだから、自分の都合でなんとでもなってしまう(それが戦略?)。もちろん、地道に必要な情報を発信している企業もあるが、多くはは、なんとでもできる知らせたい情報を発信することの方に熱心である。

これでは「民は之に由らしむべし之を知らしむべからず」と変わらない。

対応策として、現場的には「発信情報の評価・選定システム」が話題になった。できないわけではないが、たぶん、いや絶対に、発注は「ない!」。

帰ってきた顰蹙の魔王

今は考古学の対象となったパソコン通信の時代。筒井康隆の朝日新聞連載小説『朝のガスパール』(1991年10月〜1992年3月 朝日新聞社刊)と、その同時進行ライブ電脳筒井線(朝日新聞社刊)に登場。Web制作の現場に密かに生息中。その毒舌が再びよみがえる。

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