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その意味でいえば、いささか乱暴ではあるが、「ニーズ」というモンスターに、常にシステム屋は悩まされつづけてきた──といえなくもない。しかし、そのことによって、新しい挑戦が可能になり、さまざまな進歩を達成してきたことも事実である。そして、残念ながら新しい挑戦にとって、未知のトラブルは避けられない。

あえて春秋の筆法をまねれば、「ニーズ」がトラブルを招きよせる──かなり強引すぎるが、そのような見かたも成立する。

もちろん、空論に近い一般論で「副都心線」に当てはまるわけではない。

しかし、開通のその日、「お買い物が便利になった」とハシャグ利用者のインタビューをテレビでみた関係したシステム屋は、どんな気持ちになったのだろうか。想像するしかないが、どこか複雑な思いが残っただろう。

便利さを求めつづけるとリスクは膨らむ

もし、新しい挑戦に向かわせる原動力のひとつが、「ニーズ」だとすれば、進歩の背後にあるのも、その「ニーズ」となる。

モッタイぶって「ニーズ」などというが、要は「もっと早く」とか「もっと安く」という「欲求」だろう。それが、ほとんどのシステムは「要求仕様」となる(すこし強引すぎますが)。

つまり、「もっと早く入金処理したい」や「伝票処理の間違いをなくしたい」など、いわゆる「したい」を実現するのが、システムといっても大きな間違いではないだろう。

実のところ、その「したい」に疑問をはさむ余地は、システム屋にない。では、経営陣とか企業のトップにあるかというと、それも違うようだ。例外はあるが、ビジネスであるからには。顧客を満足させる必要から自由ではない。お客さまが「○○したい」と要求すれば、その「ニーズ」に応えるべく努力するのが、普通の経営陣の姿勢だろう。

そこで、「したい」という「ニーズ」に対して、あまりにも無原則に対応しすぎていないだろうか──そんな疑問を感じてしまう。

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