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ファンとアーティストの接点をつくり出す

コウチ氏らがダウンロードサービスを思いついたのは、音楽業界の危機感も背景にあった。インターネットの普及によるマーケティングが進み、全業界で消費者ニーズの形に大きな変化が現れた。音楽業界も例外ではない。影響は大きく、CDの売り上げも頭打ち。消費動向や音楽を受け入れる体制が変わり、市場は個人嗜好の方向へ変換した。

どのようにアーティストとファンの接点をつくり、つなぎとめ、売り上げを伸ばしていくのか。ネットを使った方策を、音楽業界は真剣に模索することとなった。「ライブミュージックを通してアーティストに接したい」というファンの嗜好が市場で重視されるようになるにつれ、自分で音楽を、特に好きな曲やアーティストの音楽を演奏してみたいと思う消費者ニーズも増えた。『Britain's Got Star』などのテレビショー番組(一般人がプロになることを夢見て出演する歌のコンテスト番組。優勝者は賞金とレコード会社の契約が与えられえる。勝者選出は視聴者の電話投票で決定される)の影響もあり、楽器を弾きたいという音楽ファンも急増している。

そこでコウチ氏は、「合法的な手段、しかも簡単なダウンロードでユーザーに一流アーティスト指導の音楽レッスンが提供できれば」と思いついた。アーティストにとっては、音楽ファンに自分の曲を指導しながら、コンサートとは異なった形でファンと接点を持つことができる。

ロイヤルティーに細心の注意を払う

ネットビジネスにおいて著作権は重要だ。手軽にバンドスコア(楽譜)や音楽ダウンロードできるサービスの人気が高まっているが、レコード会社やアーティストに認可を得ていない違法のものも多くある。ロイヤルティーが支払われていない現状もある。

NPIの配信サービスでは、1曲ダウンロードされユーザーが支払うごとに、アーティスト(教師)とレコードレーベル(レコード製作・販売会社)の2者にロイヤルティーが支払われる。

「アーティストの出演交渉や教材ビデオ制作は、全てNPIが手がけています。アーティストにはレッスン料と曲に対して、レコードレーベルへはビデオ使用料、スクリーン上に表示されるコードや楽譜、曲の使用料に対してロイヤルティーを払うことを保障しています。これらは、音楽界が生き残るためにも重要なのです」とコウチ氏は強調する。

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