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ダークチョコレートバー

児童奴隷廃止の活動を続けていたある日、ガーナでカカオ農園を営む兄弟から手紙が届いた。ガーナでは、「奴隷を使用せず適正な賃金を支払っている」ことを証明する「フェアトレード」を取得していると発表するカカオ農家が数多くある。しかし実際は、奴隷を使用して、その労働を搾取しているのが現実という内容だった。手紙を受け取ったトニー氏は、ガーナに向かい実態調査を行った。すると実際は児童奴隷が存在し、カカオ農家がフェアトレードを偽っていることが判明した。

トニー氏は、児童奴隷がかかわらないチョコレート会社を自らの手で設立することを決意し、2005年、トニーズ・チョコロンリーを創業した。奴隷を排除することと、労働者が経済的に十分暮らしていける賃金を確保することに徹底してこだわった。2005年11月に、初めて5000個のチョコレートバーを発売。自身の告訴や、児童奴隷解放を求めた行動が話題を呼び、販売は成功した。チョコレートバーの売れ行きは現在も衰えておらず、オランダの多数の販売店で買い求めることができる。

児童奴隷の解放を引き続き訴える

2007年2月9日。バレンタインデーの10日前に、先に不起訴となった「チョコレートを食べた自分は有罪である」という訴えを控訴した。控訴審では、西アフリカで少年時代に奴隷として労働を強いられていたKohi Hermann Kamさん(20歳)が証言台に立ち、「農園主はちゃんと給料を支払うべき。」と訴えた。15歳のとき、年間わずか20ユーロ(約3260円)で働かされていたという。

トニーズ・チョコロンリーのスレーブフリー・チョコレートは、児童奴隷の事実と共に、今も話題を集めている。児童奴隷撲滅を目指すトニー氏の行動は、これからも勢いを増していきそうだ。


■資料を引用する際にミスがありました。お詫びして訂正いたします。
・1ページ目の小見出し「15万3000人の子供が防護用具なしで、農薬を塗布」を「新聞記事で奴隷問題を知る」と改めます。
・1ページ目の第3段落。以下の5点を改めます。
「約1500のカカオ農場を対象に」を「約4600のカカオ農場を対象に」
「28万4000人の子供」を「推定14万6000人の子供」
「カカオのさやを摘み、豆を取り出して」を「農園の雑草除去作業を行って」
「15万3000人」を「推定15万3000人」
「防護用具なしで農薬を塗布している事実が発覚した」を「農薬散布に従事していた」
・1ページ目の第4段落を削除します。
記事の執筆・編集の際、「国際熱帯農業研究所」の公表資料 (http://www.globalexchange.org/campaigns/fairtrade/cocoa/IITACocoaResearch.pdf)と、これを取り上げた国際労働機関(ILO)駐日事務所の資料 (http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/ipec/facts/sector ial/agricult/05.htm)を参考にしました。これらの資料のデータを混在させて記事を制作いたしましたが、「国際熱帯農業研究所」が一次資料であると判断し、その視点で記事を訂正いたします。また「国際熱帯農業研究所」のデータを誤って解釈し、掲載した部分もありましたので、その点も修正いたしました。

加藤 靖子(かとう・やすこ)

出版社にてファッション、ライフスタイル、建築雑誌の編集アシスタントを務め、現在ニューヨーク在住ライター。

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