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さらに町で新聞を販売しているのはタバコ店だ。フランスでは今年2月に公共施設での禁煙令が施行され、タバコ店が次々と閉店に追い込まれている。出勤前の忙しい時間にわざわざ離れた場所まで新聞を買いには行けない。いっぽう無料紙は駅や地下鉄の入り口に置かれ、手渡ししてくれるので通勤・通学の途中に目を通せる。ただで3紙をもらえば、それでほとんどの情報は手にはいる。これでは有料紙は苦戦するはずだ。

乗客に無料紙を手渡しするスタッフたち

また禁煙は別の波紋も広げている。2年前から欧州連合が新聞、テレビ、インターネットなどすべてのメディアでタバコ広告を禁止した。ル・モンドは2005年に、F1ルノーチームの写真を紙面で掲載し、罰金支払いを命じられた。このユニフォームに日本のマイルドセブンなどタバコのロゴがあったからためだ。

インターネットが身近になり、ネット上で好きな時間に情報が得られる時代だ。世界のテレビニュースを自宅で見ることもできる。情報を羅列するだけでは、もう有料の新聞は売れない。実際のところ、ほとんどの新聞が採算を見込めるのは週末のみである。かといって週末に特化すると雑誌と区別できなくなってしまう。

無料新聞は、活字離れを食い止め、業界全体を活性化させるものなのか? それとも、有料の新聞を駆逐するだけのものなのか?

市絛 三紗(いちじょう・みさ)

フランス・ブルターニュ在住のフリージャーナリスト。

ユナイテッドフューチャープレスおよびClub de la Presse de Rennes et de Bretagneに所属。

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