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そんな厳しい状況が続く2006年11月。ボロレグループが初の無料夕刊紙「ディレクト・ソワール」(Direct soir)を創刊した。同時期に日刊紙ル・フィガロも同様の構想を抱いていたが、スポンサーが見つからず計画を断念している。

マタン・プリュスへの参画は両刃の剣

マタン・プリュスの発行部数。赤枠はマタン・プリュスとその地方版の名称。合計で60万部を発行している

起死回生の道を探るル・モンドはついにボロレグループと提携し、無料紙「マタン・プリュス」を創刊した。同社はその理由を「無料紙の読者は拡大している。広告にも強い。矛盾しているようだが、有料のル・モンドを死守するために無料紙の世界に参入し、経営を強化しようと決断した」と説明している。ボロレグループは海外輸送や物資管理を生業としている企業。数年前からメディアに進出。2005年に民放テレビ局Direct8を開局。翌年無料夕刊紙ディレクト・ソワールを創刊。矢継ぎ早の展開で、話題を独占している。

マタン・プリュスにはボロレグループが70%、ル・モンドが30%を出資した。紙面はタブロイド版で28ページ。国内外のニュース、スポーツ、文化関連記事を掲載。これまで新聞をあまり読まなかった若者たちにも親しんでもらおうと、カラー写真をふんだんに掲載し記事は簡潔にした。また、ル・モンドとル・モンドの姉妹雑誌クーリエ・インターナショナルが合計5ページ分の記事を毎日提供している。すでに発刊されている無料紙と差別化を図ることが目的だ。

タバコ店を基盤にする販売体制が部数減に拍車

高級紙がなぜここまで思い切った決断をしたのだろうか。そこには日本とは異なる事情がある。まず、発行部数のけたが違う。読売新聞1000万部、朝日新聞800万部という発行部数に比較するとフランスの新聞は驚くほど部数が少ない。フランスで最も古い歴史を持つル・フィガロが32万部、ル・モンドは31万部にすぎない。これに対しメトロは63万部(うちパリ周辺31万部)、ヴァンミニュッツは80万部(同40万部)、ディレクト・ソワールは50万部(同25万部)と発行部数を伸ばしている。

これだけ部数に違いがあるのは、新聞の配達方法が異なるからだ。日本の新聞は宅配が標準で、朝起きると新聞が自宅に届いている。したがって、定期購読者が多い。フランスでは自分で店まで買いに行かなければならない。定期購読制度もあるが利用者はごくわずか。配達は新聞販売店ではなく郵便局が行うので、届くのは日中になってしまう。

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