不況になるとお笑い芸人番組が増える
第一に、テレビ出演のギャラは「知名度」に応じて「高騰」して来る訳で、どんなに「ギャグ」が世間で流行しようとも、出番が多かろうとも、新人お笑いタレントの出演料は「格安」なのだ。だから、新人お笑いタレントを多用するか、レギュラーの中に数名入れ込むだけで番組全体の製作費が安くなる。加えて、番組全体を「お笑い系」にしてしまう事による製作費削減効果も大きい。海外ロケを敢行する必要も無い。只、舞台のマイクの前で、ネタを披露すれば良いだけで、大がかりなセットを構築する必要も無い。ギャラも安い。それにそもそも、「お笑いのネタ」は芸人自身が考えてくる訳だから、脚本や構成作家など、テレビ演出の重要な役割を担うスタッフへの費用が不要になるなど。万事テレビの番組を格安で制作するのに好都合な条件ばかりが揃っているのだ。
このように考えれば、朝から晩まで、どこにもそこにも、お笑い芸人やお笑い番組が溢れかえっている理由がわかるだろう。テレビ局の営業不況にとって「お笑い芸人」は視聴率という効果ではなく、経費削減にも大きく貢献しているのだ。
だが、この事象は、テレビ局とタレントにとって「諸刃の剣」だ。タレントの寿命は消費される速度が速い。一時はどの局を見ても主演していたタレントが、あっというまに消え去っていくのは毎度の事だ。タレントにしてみれば、仕事が来れば断れないというのが本音であろうから、消費されているのが分かっていても、どうしようもない。テレビ側からすれば、自局以外にも出演してくれれば知名度もあがり、視聴率への効果も期待できるのだが、言いかえれば多数の「お笑いタレント」が東京キー局の画面内で跳梁跋扈すれば、それは、各テレビ局の特徴が失われてしまうのと同義だ。
各局の実力派アナウンサーが独立してキャスターを担う番組は、内容だけ見ていれば、どこの局だか判別がつかないとの同じなのだ。こうなればテレビ全体の番組の魅力が失われて、視聴率も低下し、広告収入も減っていくという、マイナスのスパイラルに落ち込むのは目に見えているのだが。
どちらにせよ、不景気の風が吹くと、「お笑い芸人」の出番が増えるのという仕組みは当面続くに違いない。テレビの画面が益々つまらないものならないよう祈るばかりだ。
(全 3 ページ中 3 ページ目を表示)
あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください
この連載のバックナンバー バックナンバー一覧へ 画面先頭に戻る
- 北京五輪CG花火と日本の番組ねつ造からみえる将来 (2008/08/18)
- 不景気がテレビ局の構造を変える? (2008/07/18)
- 「風が吹くと桶屋が儲かる」を、テレビ局風に言い換えると? (2008/07/02)
- NHK不祥事、解体・国営化は不可避なのか (2008/01/31)
- ねつ造と偽装とテレビ局経営 (2007/12/18)

