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日本のアニメーション産業は大丈夫か?

2006年10月16日

今回は、自民党総裁選、秋葉原で善戦した、麻生外務大臣が期待する日本のアニメーション産業について考察してみたい。

今年の夏は、「ゲド戦記」、「ブレイブストーリー」、「時を駆ける少女」と話題の多い劇場アニメーション作品が公開された。各メディアでの宣伝もさることながら、作品の「評価」と「興行収益」について話題になった事をご記憶の方も多いことだろう。上記以外にも、毎年恒例となっている子供向けテレビアニメシリーズの劇場版も何本か公開されている。

これだけの本数のアニメーションが、劇場公開され、テレビで取り扱われれば、麻生大臣ならずとも、日本のアニメーション産業の発展には期待を抱くのも当然だろう。現在、日本のテレビで放送されている作品数は、新作80シリーズ、テレビで放送されないストレートビデオ系のアニメを加えると、200シリーズ以上になるとも言われている。

だが、素直に喜ぶ前に、この産業を取り囲む環境について、ひとまず考えてみたい。

ガンダムがもたらした転機

当然アニメーションは子供に見せるという前提から、その歴史が始まっているのは、周知の事実だ。テレビ開局以来、テレビを囲んだ茶の間での、家族団欒という内容=東芝のような大手家電メーカーがスポンサードしてきた「サザエさん」などは、その典型だろう。それとなく、平和な家庭の中に家電商品を登場させる事に意味があったのだ。その一方で玩具メーカーが企画をし、ほぼ玩具を売る為の宣伝としてアニメーションを放送しているというような作品も数多い。日本の民放で、玩具メーカーがスポンサードしているアニメーションは殆どがこの類型だ。「ポケットモンスター」など、関連玩具が世界中で、子供達に人気を得ており、ビジネスとしては大成功を収めている。

そして、アニメーションに歴史的な転機をもたらしたという意味で、避けて通れない作品がある。最近でも、続編が度々、制作、放送されている「機動戦士ガンダム」は、その代表格。このアニメは、初めてのテレビ放送時(1979年)には、実は子供向けとしては、内容が難解で、低視聴率であった。しかし、放送終了から、じわじわと玩具の売り上げが伸び、現在も続編が放送される「超ヒットアニメ」となっている。このアニメは、いまや制作大国となった日本アニメのエポックメイキングな作品であったと言えるだろう。

実は、このアニメは、当初想定したより年長の、高学年の中学生から大学生あたりに、ストーリー、世界観が評価され、ファンが激増した。その結果、小学生以上にも玩具が売れるという予想外の事態を引き起こしたのだ。また、玩具だけでなく、作品を収録したビデオ商品も大々的なヒット商品となった。

この玩具だけでなく、ビデオ商品が売れるという「ストーリー重視」の作風が、少年層以上に受け入れられるという事実は、後の社会現象となった「新世紀エヴァンゲリオン」でアニメ産業の二極化を決定的なものにしたと言えるだろう。このアニメは、やはりストーリーが難解で玩具もさることながら、ビデオ・DVD商品が爆発的な売り上げ額を記録した。

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