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動画配信ビジネスの暗い未来

2006年9月19日

先日、新聞の一面に「地上デジタル、ネット配信 規格統一へ」なる記事が掲載された。高速インターネット回線を利用した、地上デジタル放送の視聴についての規格統一という内容だ。記事は、双方向性の機能の向上を目的とするとの趣旨だった。また前提として、明確には書いていなかったが「地上デジタル放送の同時再送信」を流す場合と考えられ、「Gyao」のような、個別番組の配信とは異なると説明されていた。

この動向の主語は、「総務省、NHK、NTT」だ。加えてフジテレビとの表記もあったが、やはり地上波デジタルへの完全移行は、前述三者の協力による推進体制が不可欠との判断から、このような顔ぶれになっているのだろう。以前の回で書いたが、現状の鉄塔建設依存の地上波デジタル移行に、まさしく黄信号が点りはじめたに違いない。今後の様子を注視したい。

手法は斬新でも内容が陳腐

さて、テレビ広告を華々しく打つなど、鼻息の荒かったPCによる「動画配信ビジネス」の動向は、どのような状況だろう。最近は、どうも一時の勢いが無いようだ。一時の雑誌などによるPRや、提灯記事も見かけなくなってきた。やはり、物珍しさで加入した「オフィスPCユーザー」も、家庭用PCユーザーも、最終的に「動画配信事業者」のビジネスの糧にはなり得なかったというのが結論だろう。課金であれ、無料広告配信であれ、事業単体では全くの採算割れというのが現状のようだ。

おそらくこのまま、この事業に大金を投入して行く事が可能な企業は、ソフトバンクやNTT系などの大手通信事業者、CATV大手のJ-COMなど、家庭まで届くインフラを所有する数社に限定される事なる事は明白だ。つまり、通信事業とは言え、映像配信は、ライフラインとは言い難い。従って、既に世の中にある「映像コンテンツ」を使用しての「映像配信」は、PCや携帯を「出口」とする手法は斬新でも、見るほうにとって内容が決して新鮮ではないのだ。確かに、実験的な「ネットコンテンツ」が話題を集めるケースもある。しかしながら、ごく少数だ。多くの配信映像は、テレビ局、映画会社など既存の映像メディア用に企画開発されたものだ。当然、映像供給者側は、収益の出る順番、購買力のあるメディアに映像を売って行く訳だ。

当然、現在の通信事業者も「映像コンテンツ」の売買は、この供給者側のルールでしか、入手できない。つまり、ネット上の「映像配信」の趨勢を変えてしまうほど、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを通信事業者が大量に購入している事実は無い。それは、映像供給者側に支払う映像使用料が、現状とは比較にならないほど、目も眩む程の金額になってしまうからだ。

つまり、コンテンツ流通の川上、川下の流れを、変える為には、これまで以上に莫大な資金負担が更に配信事業者に必要なのが現状だ。そこまで果たして体力のある事業者が、何社存在するのであろうか。

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