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より深刻なアニメ産業への打撃

最近の殆どのアニメは、「放送」そのものを「商品展開」のウィンドウとして考えており、放送開始以前から、どのように事業展開を行って行くのかを決定した上で放送を開始している場合が多い。その展開については内容に即して分類して考えると理解しやすい。

一つは、玩具メーカーがスポンサーとなって、それこそ「おもちゃ」の販売促進とも言える内容のアニメだ。これは夕方や休日の朝に放送されているものである。番組中に登場するキャラクターを商品化展開する事が、放送以前から計画されており、放送開始と同時にキャラクター商品が店頭に並ぶという方式だ。この分野のアニメは収支構造として玩具展開からの収入を収支目算の主軸に置いている場合が多く、パッケージ商品からの収入に全体の事業構築が影響を受けない場合が多い。

だが、このような作品は、国内の少子高齢化から玩具メーカーも当初より、北米などベビーブームが続いている海外展開を視野に入れた企画開発を行っている。寄って国際的に映像や、関連するゲームがデジタルコピー、キャラクター商品などがコピーして出回ってしまっては、「輸出品」として体裁をなさない。やはり、玩具メインとは言え、デジタルコピー問題とは無縁ではいられないのだ。

他方、深夜などに放送されている、ストーリーに重点を置いたアニメがある。これらは、玩具展開を当初より計画に入れておらず、DVD等のパッケージ商品を販売する為のウィンドウとしてテレビ放送をしている。このような作品は、DVD商品販売の成否が、事業収支の中枢であるから、コピー商品の氾濫はアニメ事業者にとってかなり直接的な痛手となる。最近では、このような大人向けアニメが多数、制作放送されるようになった。放送によって認知度を上げた後に、DVDなどが作品のファンに売れるという事業が、アニメ産業の主翼を担うようになってきているのだ。当然、只で高画質なものが流通してまえば商品としての価値を維持できなくなる。

日本のコンテンツ産業の行く末を憂う

このように、放送に関連する「映像」の多くが、なんらかの形で、デジタルコピーの被害を受けている。特にアニメは、その産業の構造から、現状のままでは国際競争力を失う一因となりかねない状況だ。内容や表現については評価を得ている、この様なコンテンツが「技術的」な遠因から、崩壊してしまうような環境になりつつある。本当に、知的財産立国としてこのようなコンテンツ産業の発展を推進すべきと、考える気があるのであろうか。

所詮アニメだろうと言う程度の考え方では、今後の日本の知的財産の行方は、杞憂で無く沈没して行く運命を免れなのではないだろうか。

正直 梅太郎

東京キー局、編成、営業、映像投資業務に携わる。新規事業部門法人化に伴うスピンオフの責任者として、社内起業を体験。金融や投資ファンド関係者との業務も多くテレビ局らしからぬベンチャー企業勤務。

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