このページの本文へ
ここから本文です

地上デジタルで、事態は深刻化する

さて、我々には、目前に地上波放送の完全デジタル化が迫ってきている。地上デジタルチューナーには、「コピーワンス機能」が搭載され、「私的録音録画保証金制度」の範疇内でこの問題は対処可能という前提だが、果たしてそうだろうか。しかもこの地上デジタル放送は、これまでの衛星デジタル放送と比較してもさらに高画質で、もしこれが、海賊版に使われれば、これはコピーと呼べる代物ではない。正規品となんら変わらないクオリティをそれこそ、「保証」してしまうのだ。

もろん、地上デジタル放送では、衛星デジタル放送のような「スピル・オーバー」問題は生じない。また放送局サイドも、対策を講じている。例えば、画面に薄い局名の入った「ステーションロゴ」を載せて放送するといった事だ。

だが、この程度の対応では、日本に受信拠点を置き、国際的な海賊版流通を企てる連中にとっては、何ら痛くも痒くもないと言えるだろう。事実、普通のテレビ編集が可能なプロダクションなら、いとも簡単にこの「ステーションロゴ」を取り外す事が可能なのだから。

地上波放送のデジタル化は、受信機のデジタル化を国民に迫るだけではなく、圧倒的な画質が、映像産業にも多大なダメージを与えかねない情況にある。なにせ日本の映像事業はハリウッドに比較する余地のないほど、産業基盤が脆弱なのだから。

小泉政権は、国際的に通用するコンテンツは「アニメとゲーム」だと強化策を打ち出したが、こういったコンテンツ業界が抱える現実面の問題には現状、無策としかいいようがない。(続く)

正直 梅太郎

東京キー局、編成、営業、映像投資業務に携わる。新規事業部門法人化に伴うスピンオフの責任者として、社内起業を体験。金融や投資ファンド関係者との業務も多くテレビ局らしからぬベンチャー企業勤務。

(全 3 ページ中 3 ページ目を表示)

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

記事検索 オプション

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る