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地上デジタルで深刻化する、高画質海賊版の脅威と無策

2006年6月27日

NHK受信料義務化については、「値下げ」無しに、義務化の方向へ進んでいるようだ。竹中懇談会の影響力が、小泉政権の終了と共に潰えるということが明確になったのだろう。これまでの不祥事問題によるNHK改革と絡ませた、受信料徴収案とは全く別の方向に動き出したようだ。NHKもこれまでの「弱腰」から一転、不払いについては「罰則」が必要という論調になってきている。

竹中案も「罰則導入」に触れてはいたが、NHKの反応は、消極的だった。しかし、今回強気に転じてきた背景には、「族議員」とNHKの間に共同歩調が取られているのは、間違いないだろう。まさしく「税金化」=「国営放送化」に向けての第一歩が踏み出されて行こうとしているのだ。これまでも何度も書いてきたが、NHKの経営が、視聴料を払っている国民からの収入だからこそ、「民営放送の理想」を具現出来得る可能性があると思う。現状に必要なNHK改革(経営者や職員のマインド含めて)は、「国営放送化」されてしまっては、解体はおろか体質改善にも程遠い状況だろう。

さて、NHK問題が風雲急を告げているが、テレビ放送のデジタル化には、これまで書いて来た事柄とは全く別の重大な問題が、存在する事を指摘したい。

古くて新しい海賊版問題

それは、放送するテレビ番組(ドラマ、映画、アニメーション、バラエティ)が、コンテンツとしての価値を保てるのかどうかという、瀬戸際の問題だ。これはテレビ放送の歴史と共に、技術が進歩してきたことの証でもあるのだろうが、こと放送全般のフルデジタル化によって、極端に顕在化してきたと言えるだろう。

では、その正体とは一体なんなのであろうか? それは、コンテンツのコピーの問題だ。つまりはテレビ放送の「録画」の質が問題なのだ。一体何が重大なのだろうか。

これまで、テレビ放送の録画については、「個人の楽しむ範疇」で行われてきたはずだ。むかしながらの「VHS」を再ダビングして使いまわしていた時代は良かった。ダビングを重ねて「親VTR」→「子VTR」→「孫VTR」となるごとに、画質が劣化していったからだ。

しかしながら、デジタル放送が開始された時から、その様相は変わってしまった。日本でのデジタル放送と言えば、汎用化は「CSデジタルチューナー」によって始まったと言えるだろう。この問題が、最初に話題になったのは、日本のデジタル衛星用チューナーがアジアの某国で販売されているというニュースからだ。日本の衛星放送の電波が国境を越えてアジアの近隣諸国に「漏れ」届いているという事は、電波の特性から当然なのだ。これを「スピル・オーバー」と呼ぶ。だが、そもそも日本のCS放送は、国際配信を前提としていない。また、海外との契約で視聴料を得ているという放送事業者も存在しないから、当然、日本国外に届いていたとしても視聴不可能なスクランブル(暗証信号)がかかったままだ。

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