ここに1996年、CSからの直接受信を目的として課金管理プラットフォーム「パーフェクTV」を軸に「デジタル多チャンネル」時代が幕を開けたのだ(それ以前にはアナログ配信によるスカイポートセンターという課金管理プラットフォームが存在したが、話が長くなるのでここでは割愛する)。だが、この直接受信のアンテナが、受信者の状況を混乱させ、後に大きく普及を左右することになったのだ。(詳しくは後述)
第二に放送する番組についてだが、いまや日本国内に於いては「BS放送権」「CS放送権」と明確に区別されて放送の為の番組の権利が扱われている。これは、コンテンツの権利所有者にとっては、BS局にもCS局にも利用してもらうためには都合がよい仕組みだが、視聴者にとっては、全く関係の無い仕分けだ。見ているテレビ番組がどの衛星を使用しているかなど意味が無い。だがパーフェクTV開局前夜には、CS放送権のある番組は、中身など関係なく、バブルの如く売買価格が高騰した。免許を取得したチャンネル事業者は、財務基盤が磐石な企業も多かったはずだが、この事業立ち上がり時期の「原価高」が長年に渡り経営に影響を及ぼす事になってしまった。
外資の参入と撤退、衛星の向きに翻弄
このように、衛星の「BS」「CS」という機種の違いは「免許の交付」という区別程度のことから拡大し、大きくその周囲を混乱させて行くことになった。まさしく原因は、担当官庁の放送行政の迷走だが、この使用衛星の振り分けによる影響は、視聴者不在が、国民や民間企業の財務に莫大な負担を掛けてしまった典型だろう。
では、1996年パーフェクTV放送開始後、現在のスカイパーフェクTVまでの混沌とした道程を振り返ってみよう。
衛星放送受信者の受難はまず、1998年に始まった。ソフトバンクがこの年、衛星デジタル放送に参入を表明し、イギリスのルパード・マードック氏の「B-SKY-B」の日本版「J-SKY-B」を発足させた。しかし実際に放送を開始することは無かった。「パーフェクTV」が「J-SKY-B」を合併したからだ。当初より、二つの事業者は別々の衛星を使用して、放送を開始する予定だったため、合併後の「スカイパーフェクTV」には、静止位置の異なる衛星を二機利用した「パーフェクサービス」と「スカイサービス」なるものが存在し、視聴者は双方を受信できるアンテナを設置し、受信時に使用する衛星のアンテナを切り替えをする必要に迫られた。
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