チベット問題と北京オリンピック、聖火リレーへの抗議
北京オリンピックの聖火リレーが開始されたが、チベットにおける住民に対する中国側の武力鎮圧に、諸外国で抗議の声が上がっている。3月24日、ギリシャ・オリンピアでの聖火の採火式に乱入した男らが掲げた旗には、手錠の五輪のマーク。「国境なき記者団」の活動だったが、騒ぎを起こした3人のうちの1人は事務局長であり、前日、サルコジ・フランス大統領から仏最高勲章を授与されたばかりの人物であったため、一気に人権問題への関心が高まった。
非難の声は日増しに大きくなり、各国国民の関心が高いことから、開会式への不参加の声明が欧州を中心に複数の首脳から出されている。2012年のロンドンオリンピックを主催するイギリスは、ブラウン首相が開会式には参加しないことを表明した(閉会式には出席、開会式はロンドン五輪担当相が参加)。チャールズ皇太子は、ダライ・ラマ法王と古くからの友人であり、交流があることから、早々に不参加を表明。米国の映画監督や俳優は、ダルフールの人権問題やチベットへの迫害から、ボイコットを呼びかけるに至っている。
そもそも国際オリンピック委員会(IOC)は、北京オリンピックの開催にともない、人権問題の改善を強く訴えてきた。米国は中国との関係改善の中で、節目・節目にチベット問題や台湾問題への改善要求を滲ませている。次期大統領選挙での共和党、民主党の有力候補3人は、ともにブッシュ大統領に対し開会式ボイコットと非難声明を出すよう求め、ペロシ下院議長は、サンフランシスコでの聖火リレー当日、チベット弾圧停止を求める決議を全会一致で採択した。いまのところ、ブッシュ大統領は政治が介入しない姿勢を堅持し、報道官もボイコットは無責任とするなど、依然出方が注目されている形だ。
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