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温泉爆発/看板落下/牛肉偽装、先送りリスクと官庁の縄張り

2007年6月26日

前職の大手シンクタンク時代から、リスクマネジメントは、マネジメントにアクセントがあると伝えてきたが、それにしてもリスク事象の多発は筆者の予想を超えるものがある。筆者が一番憂慮するのは、普通に都会生活を送る若者が犠牲となり、次世代への連携、リレー、循環型社会での拡大再生産が出来ないことである。

タイトルの渋谷の温泉施設での爆発、新宿イタリア料理店の看板落下、そして牛肉偽装コロッケ事象も、立て続きに発生したそうしたリスク事象である。一見なんら関係のない3つの事件だが、そこには共通点がある。事前に見られた事象をリスクの芽として認知し、それが事故あるいは事件として拡大するのではないかという「予見=構想力」の欠如と、監督者=経営者と官庁など規制側の、リスクの先送りと、事なかれ主義を示しているといえる。

こうした批判はマスコミでありがちだが、では具体的にどうするか。考えうるのは、トヨタの「カンバン方式」のような仕組みである。いったん事件事故の芽が内部告発ないし、関係者からの訴求、あるいは消費者団体からもたらされた場合、事態を誰が把握し、誰が責任を有するのか「カンバン=板」を持つ者の責任を明確にすることなどが考えられよう。

責任の有無をはっきりさせるために、「カンバン」を持たせ、後工程(国民のニーズ)が、前工程(予算化)を求めること、つまりは市場ニーズに改めることで、無駄を省けるのではないかと考える。

いつものように、日々発生するリスク事象、本コラムでの連載テーマのフォローアップについては、適時筆者のブログ「e戦略の視点2」にて行っている。

温泉、看板、牛肉コロッケの記者会見

・松涛温泉爆発事故
 渋谷の松涛にある温泉施設の別棟で、メタンガスの充満による突然の爆発が起きた。女性従業員が3名犠牲となり、事故に巻き込まれた通行人も重体である。記者会見した経営者は、この業界では知らない人はいない岩盤浴のカリスマであり、その成功体験を親会社のユニマットが招き入れた形だ。

その経営者は、スパというビジネスには精通し、マーケティングには一生懸命であったが、安全対策面には疎かったようである。それがマスコミの論調だ。だが、仮に誰か他の人がそこに座っていたからといって、どこまで責任、あるいはリスクへの先見の明があったかは微妙である。

安全管理におけるアウトソーシングの盲点は、エレベーターや流れるプールの事故等、他にも数多く存在する。“プロ”にアウトソースしたものに対して、委託した側がどこまで責任を持つべきなのか、そのあり方が問われている。

が、もう少し時間軸を戻すと、松涛という高級住宅街に、渋谷の商業地区に隣接するとはいえ、どこまで温泉施設を構えることが出来るのか。合法的であり、申請すればよい、それが法律だというだけでは割り切れないものがある。

「そらみたことか」「だから言わんこっちゃない」という声も聞こえるが、爆発して犠牲者が出る前に、どこまで阻止できたのか。実は住民が無力だと知らしめられるような開発がここ数年続いている。

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