2006年総点検と2007年以降のリスク傾向
行く年来る年。早いもので、あっという間に2006年も52週が過ぎ去り、一年を振り返り、新しい一年を展望する季節になった。年末年始に、企業を取り巻く事件や事故、不祥事を羅列することは気が進まないことではあるが、企業経営は、妥当な大きさのリスクを保有しつつ、期待リターンを獲得する行為であり、自社に見合うリスクにコントロールすることが経営トップといわず、それぞれの立場、役割から求められる。
さて、2006年も多くの事件事故が発生した。企業、個人、国家、自治体のリスクマネジメントは高度化しつつあるものの、その対処方法の間隙を縫うように、新たなリスクが発生している。リスクの芽は形を変え、時代の流れに乗り、常に私達の身の回りへと忍び寄り、新たな脅威を与える。
しかし、いたずらにリスクに怯えるのではなく、常に自社、個人がどの程度のリスクを保有し、コントロールしているかを把握することが肝要となる。
ネット社会ではリスク情報が瞬時に伝播し、直感的にリスク情報を消費する世界が成立している。「現代リスクの基礎知識」はそうしたリスク情報の流通の「場」として、事件事故を記録し解析することで、また、その後にこれら事件事故を振り返ることで、さらなる教訓となるように連載を重ねている。
今回は、2006年のリスク事象の棚卸しをする。一年のご愛読に感謝し、2007年も、一層のご鞭撻を賜りたい。
なお、年末年始も含め、いつものように、リスクマネジメントに関する突発的な出来事や本コラムで取り上げたケースのその後などについては、適時「e戦略の視点2」を参照いただきたい。
●2006年のリスク発生状況
ここでは、筆者の運営する国際戦略デザイン研究所が12月にラウンチした「リスク・インフォーメーション・ネットワーク」でのリスクの芽の分類に従い、2006年のリスク発生状況を振り返る。
筆者らは、リスクを「(1)経営リスク」「(2)事件事故」「(3)自然災害」「(4)政治リスク」「(5)海外リスク」の5つに分類している。従来、狭義のリスクマネジメントとして紹介されるのは、自然災害と事件事故、海外リスクの一部だったが、それらを拡張し、企業や個人、国家、自治体を取り巻く各種事象から、潜在リスクとしてのリスクの芽の発展、拡大をトレースしている。
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