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北朝鮮地下核実験〜瀬戸際外交と国際社会

2006年10月10日

今週は、10月9日に実施された北朝鮮の地下核実験を取り上げる。北朝鮮政府は、10月3日の声明で核実験を行うことを発表しているため、実施可能性については、いくつかの予定日(10月8〜10日、11月11日など)が囁かれていた。核実験当日、韓国政府は地下核実験の兆候を捉え、午前中から閣僚会議を開いて影響評価を行っていたが、その最中の10時35分頃、韓国の観測施設(地質資源研究院)が人工的な揺れを感知した。

北朝鮮が、地下核実験を実施するのは、実験の成功(あるいは成功まで時間の問題という状況にすること)により、米国との二国間直接協議に持ち込み、金融制裁を解除させたいからである。

これに対し、米国を含む周辺国、関係国は6カ国協議への復帰を求めている。タイミングを同じくして、安倍総理が新政権発足早々に中国・韓国を訪れて首脳会談を実現させ、新しい政権下でのアジアとの対話復活、協働体制を整えている。

国際社会からの孤立が進む中で、「ハイリスク・ハイリターン」を選択する北朝鮮の意図は何か。また、地下核実験が及ぼす影響などを現在進行形でトレースした。

なお、日中・日韓首脳会談の成果、地下核実験の実施と影響など追加的コメントについては、適時「e戦略の視点2」を参照いただきたい。10月以降、携帯電話からもアクセス可能な「携帯版e2」を立ち上げたので、あわせて活用いただければ、幸いである。

●地下核実験実施のリスク構造

北朝鮮は瀬戸際外交を貫き、「実験を実施する」→「実施した実験が成功する」→「成功したという成果をもとに米国との交渉を行う」→「超大国の米国と交渉できるという実力を持って国内の統制、求心力を維持する」→「しかるべき段階で、後継者である自らの子息への権限委譲」というシナリオの達成を目指している。

北朝鮮には通常、我々が考えるのとは別の期待リターンと、それを達成するために保有すべきリスクが存在する。いわば、「ハイリスク・ハイリターン」国家であり、「リスク選好度」が極めて高い国家なのである。北朝鮮にとっては過酷な環境で自滅を待つよりは、尊厳を保ち、大国と対等に議論する下地をつくりたいのである。

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