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ふじみ野プール事故〜縦割り行政と責任の所在

2006年8月8日

今週は、埼玉県ふじみ野市の市営プールで小学生女児が吸水口に吸い込まれ死亡した事故を取り上げる。流れるプールに限らず、吸水口の蓋の取り扱いには、複数の監督官庁から様々な指導がなされていたが、見落としがいくつか重なり、事故発生へとつながった。

こうした事件事故が発生した場合、責任の所在を巡り、ある種のバッシングが起こる。今回のケースでは、監視員の高校生アルバイト学生ら、あるいはそもそも蓋を固定していた針金をプールに来ていた子供達が外したのではないかという憶測も流れた。

実際には流水プールでの死亡事故は今回だけではなく、また、管理会社では数年前に針金の使用を市の監督者に報告していた。さらに、20年前に設計された今回の流水プールを今の基準に照らしてリスクの有無を解析し、それをどう評価し、実際の防止行動につなげるか。リスクマネジメント上、検討すべき課題を考えていきたい。

いつものように、リスクマネジメントに係る突発的な事象、過去に掲載したテーマのその後については、適時「e戦略の視点2」にてトレースしている。

●流れるプールに限らない事故

今回の事故は、流れるプールで水を循環させる吸水口の蓋がはずれ、小学生の女児が頭から吸い込まれ亡くなるという痛ましいものであった。傍に居た母親が手を握ったものの、吸引力に負け、そのまま吸い込まれたとされる。

事故直前、遊泳中の小学生が外れた蓋を見つけ、監視員に渡していたが、監視員は何の蓋か把握できず、管理会社から言われたとおりに現場監督の責任者に報告。責任者は、「注意喚起」を遊泳者に伝えるよう指示し、工具を取りに事務所へ。その間に事故が起きた。

事故発生後は、謝罪会見と次々と明らかになる管理体制の不備など、リスク発生後にいつも見かける光景が繰り返されている。

こうした事故が発生すると、類似する施設を持つ他の自治体や企業からは、自らの管理運営は厳密であり、完璧だとの言動が出てきたりする。これは利用者の不安を払拭し、自らにリスクが波及・拡散することを制御する(防ぐ)狙いがあるのは事実だ。

しかし、一方で、こうしたことが自らの企業・自治体には発生しえない無縁のことであるとして、リスクの芽の除去を怠ると、やがて先送りされたリスクが、いくつかの不特定要因(見逃していたこと)をきっかけに、自らに降りかかることになる。

(8月7日に文部科学省が全国一斉点検の結果を発表したが、公立学校プールを中心とした3万3000カ所のうち、1901カ所で不備が見つかった。吸水口の固定については、「大人二人で持ち上げられない」、吸い込み防止金具については、「形状が古く、設置が難しい」との理由を挙げた小中学校があったようだ。)

next: 身近な場所での水の事故…

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