携帯電話が高める、通信・放送融合の付加価値~「mobidec2005」(2)
mobidec2005のカンファレンスでは、IT/通信産業の年来のテーマである「通信と放送の融合」も数多く取り上げられた。
放送とネットは相反するからこそ補完できる
イー・モバイルは、新規参入事業者の1社であるイー・アクセスの関連会社。グループ内でモバイル事業を担っている。イー・モバイルの諸橋知雄 執行役員 研究開発本部長は、「通信と放送の融合はまだ実現していない。ただ、将来は統合に向かうことになるだろう。キーポイントは、インフラが一緒なることではなく、サービス面での補完関係だ。それぞれの利点を組み合わせることにより、利便性の高いサービスを提供することができる」と語る。
諸橋氏は、両者の融合が難しい背景の一つとして「通信と放送は、実は、コンテンツを提供するスキームが相反する」ことを挙げる。コンテンツの配信方法は、放送はプッシュ型だが通信はプル型。コンテンツ配信の時間帯は、放送には制限があるが、通信には制限がない。いつでも視聴できる。収入源は、放送が広告料、通信は情報料と通信費。視聴者との直接の接点は、放送にはないが、通信にはある。利用者を特定することもできる--といった状況だ。
しかし「両方のインフラをうまく活用したサービスがあるはず。例えば、ユーザーの属性情報を基に、携帯電話にお勧め番組情報を配信する。生番組への反応を携帯電話を通じてテレビ局側が迅速に看取する。こんな具合の両者の連携がありうる」(同)。通信と放送は対極にあるからこそ、最適な相互補完サービスの可能性があるというわけだ。
KDDIは、FMラジオ放送と連携
既存事業者のうち、KDDIは、FMラジオ放送との連携サービスを始めた。FM放送でオンエアー中の番組で流れている楽曲の曲名を検索できる機能を装備した端末を提供している。同社によると、この機能を装備した端末利用者の18%がサービスを利用。利用者は非利用者に比べ、「着うたフル」のダウンロード数が2倍に達するという。
FMラジオ放送局への問い合わせで多いのは「今かかっている曲の題名は何かという質問。ユーザーは、気に入った曲の名前が分かれば、即、着うたフルでその楽曲をダウンロードする。実際のCDをレコード店で購入することもあるだろう。どちらにせよ、実際の購入に結びつきやすい」(KDDIコンテンツ・メディア事業本部 竹之内剛コンテンツ推進部長)という。
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