相次ぐ経営破綻、不動産業界激震
(桐原 涼=経営評論家)
新興ディベロッパーの代表格であるアーバンコーポレイションが、民事再生法を申請し、経営破綻した。新興ディベロッパー経営破綻は、6月のスルガコーポレーション、7月のゼファーと連続しており、業界における信用収縮は留まるところを知らない状況となっている。
新興ディベロッパーの業績は、昨年までは絶好調だった。アーバンコーポレイションも2008年3月期は、300億円余りの当期利益を稼ぎ出していた。それからわずか1年足らずで「天国から地獄」への環境変化が起こった。不動産市場が急速に冷え込み、資金の流入が止まった。投資家は不動産市場から逃げ出し、開発物件は買い手が付かなくなってしまった。その結果、不動産会社の業績は急降下を余儀なくされており、企業の破綻も続出しているのである。
グローバルマネーの洗礼を受けた国内市場
不動産業界を窮地に追い込んだきっかけは、いわゆるサブプライム問題の余波が日本に及んだことにある。しかしこれは、「余波」と言うにはあまりにも影響が大きい。なぜ米国の住宅金融危機が、大波となって日本に及ぶのか。
われわれはそこに、グローバリゼーションの暴力的な側面を眼にすることができる。経済のグローバル化により、世界の金融市場は一つの大海のごとく繋がった。そして今までは、孤立した“池”のような存在であった日本の不動産市場が、グローバル市場の大海に向かって開かれたのである。
不動産市場のグローバル化が進んだとき、まだ日本市場はデフレから脱却しきれずにいた。これに対して、米国や欧州の不動産市場にはバブルが生じていた。このためグローバルな投資家の目には、日本の不動産は「著しく割安」と映ったのである。そしてグローバルマネーが日本市場に流れ込み、強気のスタンスで不動産を買い進んだ。日本の不動産市況はにわかに活況を呈し、「ミニバブル」と呼ばれるような状況が出現した。
ところが、サブプライム問題を契機に市場の空気が一変した。欧米の投資家は投資余力を失い、一斉に資金を引き上げにかかった。そしてミニバブルは崩壊し、不動産業界は不況一色となったのである。
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