環境への“免罪符”か? 流行の「カーボンオフセット」を問う
(森 摂=オルタナ編集長)
近ごろ、「カーボンオフセット」という言葉をよく目にする。自らの活動で排出した二酸化炭素(CO2)を排出権の購入などで差し引きゼロにし、手軽にCO2排出量を減らせる手段として、企業の社会貢献の一環や商品の販促にも使われている。だが「オフセットの仕組みや価格が分かりにくい」「CO2を削減する努力をしないで、免罪符的に使われているのではないか」などの批判も聞こえてくる。カーボンオフセットを正しい形で社会に定着させ、本当にCO2削減につなげるには、何が必要なのか。
カーボンオフセット寄付金の根拠は?
埼玉県の中堅リフォーム会社、OKUTAは昨年12月、社会貢献事業の一環として、収益の一部を「カーボンオフセット」に寄付することを決めた。
だが今年3月にカーボンオフセットのプロバイダー(仲介業者)から送られてきた「証書」を読んだ山本拓己社長は、腑に落ちなかった。
証書には、支払ったお金がどこに寄付されるのか、記述がなかったからだ。その代わり、証書には「1トン当たり4200円」という価格と、次のような説明があった。
CER(認証削減量)は、CDM(クリーン開発メカニズム)から得られる、国連基準に準拠した排出権です。このオフセットに用いられるCERは、京都議定書における日本の温室効果ガス削減目標にカウントされます。
「国連」や「京都議定書」という言葉で、何となくお墨付きがあるような気がしてくるが、この説明だけでカーボンオフセットの仕組みを完全に理解できる人は極めて少ないだろう。
仲介業者のホームページなどでは、「カーボンオフセット」とは「ある行動によって生まれたCO2と同量の排出量を、別の活動によって相殺(オフセット)すること」とある。例えば、飛行機に乗って化石燃料を消費したら、別の活動として木を植えるなどしてCO2の吸収をするのが一例だ。
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