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新銀行東京〜そもそも銀行の設立が誤りだった

2008年4月8日

(宮尾 攻=金融ジャーナリスト)

石原慎太郎都知事の発案で東京都が創設した「新銀行東京」が、経営悪化の果てに、400億円の追加出資を東京都に求めた。都議会は追加出資の是非などを巡って紛糾したのち、与党の自民、公明両党が追加出資することを最終的に決定。都議会は3月26日、与党の賛成多数で可決した。

「発案者として責任を痛感する」

石原都知事は、珍しく神妙な表情でこう語った。それ以前には、「新銀行東京の前経営陣がいい加減な経営を行なったのが経営悪化の原因」といった発言を繰り返していたが、与党が出資是認に傾くや、与党の顔を立てるかのように頭を下げた。

中小企業支援のため、石原都知事の公約で設立

新銀行東京の設立は、都知事2期目を目指す選挙の過程で、石原都知事が公約として掲げた。既存金融機関から融資を受けられずに困っている中小零細企業の資金繰りを支援するというのが設立の理由だった。都知事選に勝利した石原氏は直ちに銀行設立に動いた。新銀行東京は、東京都から1000億円、民間企業から250億円の出資を得て開業した。

それにしても、新銀行東京の経営状況はひどい。2004年4月の開業以来、不良債権を増やし続けた。結局、開業3年間で累積損失を約1100億円にまで膨張させて、自己資本の大半を食いつぶす形となった。無様な成り行きと言うほかはない。

融資で発生した損失は収益で穴埋めしなければならない。さらに収益を超える損失額は、自己資本をあてて解消するしかない。赤字決算ということは、自己資本によって損失を解消しなければならない事態を意味している。つまり新銀行東京は、都民の貴重なおカネを食ってしまったと言ってもおかしくない。これは、あってはならないことだった。

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