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日本市場には依存できない

少子高齢化が進む日本では、国内市場のボリューム縮小がついに始まった。この傾向は、下位メーカーの淘汰に拍車をかける。三菱電機と三洋電機は、携帯電話端末からの撤退を決めた。またパイオニアも、プラズマテレビのパネル生産からの撤退を発表した。淘汰の波は、今後あらゆる事業分野に広がる可能性がある。

特に激変が見込まれるのが、携帯電話端末市場である。かつての日本は、世界有数の携帯電話大国だった。だが携帯電話の普及が限界に達した現在、日本の携帯電話端末市場が拡大する余地はなくなった。これに対して世界では、携帯電話市場が爆発的に成長している。日本市場における携帯電話販売台数は数千万台規模であるが、世界市場の販売台数は10億台を突破している。つまり日本と世界の市場規模には、2けたの差があるのだ。

世界の携帯電話端末市場では、ノキア、モトローラ、サムスン電子の3強が約7割のシェアを握る。日本市場で上位を占めるシャープ、パナソニック、NECでも、世界市場での存在感はほとんどない。今や日本でシェアをとっても、世界的に見れば“すずめの涙”程度でしかないのである。

日本メーカーが世界市場で立ち遅れた理由は、日本の携帯電話業界が日本独自の規格とビジネスモデルを維持してきたことにある。いわば国体とオリンピックで競技内容が異なっていたのである。このため日本の“国体選手”は、オリンピックに挑む機会を失った。唯一ソニーのみが、外国メーカー(エリクソン)と組むことにより、グローバル市場で生き残っている。

“鎖国”のような仕組みを維持してきた日本の携帯電話市場も、グローバル化の流れには逆らえないであろう。いずれ日本市場がグローバル市場に組み込まれたとき、日本の携帯端末メーカーが生き残ることは難しいと予想される。

今後あらゆる事業分野で日本市場の縮小とグローバル化の流れが進む。もはや小さな日本市場に依存して生き残ることは困難だ。得意分野を強化し、世界に打って出る以外に、日本の電機メーカーが生き残る道はないのである。

桐原 涼(きりはら・りょう)

株式会社セレンディップ・ラボ シニアディレクター

経営コンサルタントとしての業務の傍ら、ネットメディアにて辛口の経営批評を展開している。ブログ「Critical eye for business —経営の視点/投資の視点—」を公開中。

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