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総合電機解体!〜“国体選手”ではオリンピックは戦えない

2008年3月24日

(桐原 涼=経営評論家)

東芝がHD-DVDから撤退

東芝がHD-DVDからの撤退を発表した。日本経済新聞の報道によれば、同事業の損出額は1000億円に達するとみられる。次世代の花形製品からの撤退を、「手痛い敗戦」と悲観する向きも多い。

だが、世界に先駆けた製品の発売からわずか2年での撤退は、かつてない迅速な経営判断との評価もできよう。市場の大勢がブルーレイディスクに傾く中で不利な戦いを継続するよりも、早期に撤退した方がはるかに傷は浅くてすむはずだ。それに現在の電機業界の情勢は、負け戦に兵糧をつぎ込めるほどの余裕はない。勝てる事業に資源を集中してこそ、企業としての生き残りが可能になる。

総合電機との決別

2007年度上期における東芝のセグメント別営業利益構成を図に示した。これを見ると、全社の営業利益の9割は、電子デバイス(半導体など)と社会インフラ(電力システムなど)が稼いでいることが分かる。ちなみにデジタルプロダクト(テレビ・パソコンなど)の営業利益はわずか3億円。家庭電器(白物家電など)に至っては12億円の赤字であり、企業業績への貢献度は乏しい。

企業業績への貢献度で見る限り、東芝の基幹事業は電子デバイス事業と社会システム事業だ。デジタルプロダクト事業や家電事業は周辺事業にすぎないと言える。東芝は基幹事業の強化に向けて、矢継ぎ早で、巨額の投資を行っている。2006年には、原子力発電事業に強みを持つウェスティングハウス(米国)を、約6000億円で買収した。また2008年にはソニーから、半導体「セル」の製造設備を約900億円で買収。さらに半導体工場の建設に1兆7000億円を投入(提携先投資分を含む)することを発表した。

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