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購買力の衰えと内需産業の試練

現在の日本は、グローバル経済のトレンドから取り残されつつある。そして購買力の衰えは深刻である。これから日本の内需産業が、厳しい試練を迎えることは容易に想像できる。

内需系企業は、自社のビジネスモデルの抜本的見直しを図る必要がある。今まで多くの内需系企業は、海外の低コスト国から製品や原料を仕入れ、日本の豊かな消費者に販売するビジネスモデルを確立してきた。だがこのようなビジネスモデルは、もはや収益を生みにくい。また商品やサービスを高付加価値化することにより収益を確保する戦略も限界に近づいている。「ワンランク上」の生活を目指せる消費者は、年々少なくなっているのだ。

“豊かな国幻想”に見切りをつけよ!

日本人が押しなべて豊かでいられる時代はすでに終わった。今後は消費者間の格差が、ますます拡大していくであろう。ただし現在の日本の産業構造を前提とした場合、高賃金の職を得られる人はそれほど多くない。グローバル企業で活躍できるような一部の人材はますます豊かになるが、それ以外の大部分の人は貧しくなっていくと考えざるを得ない。

われわれはそろそろ、「豊かな日本」「豊かな消費者」という幻想を取り払うべきであろう。「沈む日本」「貧しくなる消費者」という前提で考えたとき、多くの企業や個人は、今までとまったく異 なる将来ヴィジョンを描く必要に迫られる。

「沈む日本」という厳しい環境を生き抜く処方箋は、以下の通りだ。

1)“豊かさ幻想”から脱却する
2)ドメスティック思考を断つ
3)グローバルに通用する製品・サービスを生み出す

まずは、“豊かさ幻想”から脱却することが重要だ。かつての日本が豊かであり、日本人が高賃金であったのは、世界最先端の卓抜した製品・サービスを生産できていたからだ。その前提が崩れたことを、直視しなければならない。

第2に必要なのは、「日本国内で通用すればよい」というドメスティック思考を断ち切ることである。グローバル化が進む今、日本という枠に拘泥することは有害ですらある。グローバルに通用しないものは、どこでも通用しない。仮に日本国内に閉じこもることができたとしても、それでは日本の衰退と運命を共にすることになる。

そして目指すべき目標はグローバルに通用する製品・サービスを生み出すことだ。この点は輸出産業だけでなく内需産業でも重要だ。グローバル化の進展に伴い、たとえ内需産業であってもグローバル競争と無縁ではなくなるからだ。そしてグローバルな競争力を身につければ、今後は非製造業であっても海外展開のチャンスが広がるはずだ。

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