もちろん日本の1人当たりGDPが相対的に低下している背景には、円安ユーロ高の影響もあるだろう。しかし2006年度当時の為替相場は1ユーロ140円台だった。ユーロ高の影響が本格的に表れるのは、むしろこれからだ。つまり2007年度の日本の順位はさらに低下する可能性が高い。
世界経済における日本の存在感は急速に薄れつつある。そして日本人はどんどん貧しくなっていると、受け止めなければならない。
25年前に戻った円の価値
実際に日本の購買力は、近年著しく低下している。日本銀行の統計によると円の実質実効為替レートは、1980年代前半の水準に戻った。実効為替レートとは、円と主要な他通貨間の為替レートを、貿易ウエイトで加重幾何平均したうえで指数化したものである。さらに物価変動の要因を調整して算出した指数が実質実効為替レートであり、これは客観的な円の強さを示している。

グラフを見ると、1980年代後半から1990年代までが、円が強かった時代であったことが分かる。この期間は円の価値が高く、われわれ日本人は豊かな購買力を保持していた。ところがその後、円の価値は急速に劣化した。現在の円の価値はかつての3分の2程度しかない。
産業構造の高度化に失敗
振り返れば、1980年代の日本には最先端の産業が集積していた。それが日本の豊かさの源泉であったと考えることができる。日本が豊かさを維持するためには、産業構造をさらに高度化し、最先端のポジションを維持する必要があった。1980年代における最先端産業はエレクトロニクスビジネスであった。そして1990年代以降は、金融やITビジネスが最先端産業となった。ところが日本はこの流れについていけなかった。日本の金融・IT産業は、欧米の先進企業に太刀打ちできなかったのである。
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