このページの本文へ
ここから本文です

東証が15日、立会外市場「ToSTNeT」の制度を変更

(宮尾 攻=金融ジャーナリスト)

証券市場の変革が止めどなく続いている。その背景にあるのは競争の激化だ。グローバルに見ると、主要国の証券市場が投資マネーの国際的な獲得競争を繰り広げている。国内では、新興勢力で急成長中の私設市場と既存の証券取引所との競合関係が深まる一方だ。グローバル競争と同様に、ここでも投資マネーの吸収を競い合っている。

証券取引所間の競争は、「オーダーフロー(投資家や証券会社による売買注文)獲得の闘い」と呼ばれている。なかでも株式市場では、その激しさが増すばかりだ。

証券取引所の機能が売買注文の執行にあることは言うまでもない。したがって、競争の勝敗を決するのは、売買注文執行の品質の高さである。「コスト、リスクの低さと、売買約定の的確さ、迅速さ」こそ、証券取引所の価値を決めるファクターと言える。

証券市場では近年、投資手法が著しく多彩になっている。投資主体の機関化とグローバル化が同時並行に進んだ結果、取引ニーズが多様化した。このため、証券取引所は従来型の市場運営だけでは多様な投資ニーズを満たせなくなった。

立会外市場の「ToSTNeT」が1月15日に制度変更

そうした環境変化のなかにあって、東京証券取引所が従来型の立会市場とは別に、1998年にスタートさせたのが立会外市場の「ToSTNeT」市場だ。それから約9年半が経過した今年1月15日、東証はToSTNeTの取引制度を見直した。

ToSTNeTは、通常の立会市場がクローズしている時間帯だけオープンする。そして、上場会社による自己株式取得や、ヘッジファンドなど大口機関投資家によるバスケット取引、あるいは単一銘柄の大口買付といったニーズに対応している。

ToSTNeTには、ToSTNeT-1と同-2の二つの方式がある。両方式の相違点は、取引時間帯と発注方式にある。前者は時間帯内において、一定の価格帯で行なうレンジ取引であり、後者は一定の時間(時点)なおける指値取引だ。前者は資本提携目的などの単一銘柄の大口買い付けの際に、後者は自己株式取得の際に利用されることが多い。また、バスケット取引といった複数銘柄の同時処分は前者が、持ち合い解消の売却には両方式が使われている。

変更前の制度では、ToSTNeT-1の取引時間は午前8時20分から午前9時、午前11時から午後0時30分、午後3時から午後4時30分。時間的な幅のなかで取り引きができる。取引価格は、立会取引の直前の約定価格を基準として上下7%のレンジ内で指定できる。

いっぽう、ToSTNeT-2の取引は時点取引の指値による一発勝負市場だった。取引時間は、午前8時45分、午後0時15分、午後4時の3回。注文受付時間は午前8時20分から午後4時。取引価格は立会取引の直前終値、あるいは直前の加重平均価格(VWAP)による指値となる。

(全 2 ページ中 1 ページ目を表示)

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

記事検索 オプション

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。

ご案内 nikkei BPnetでは、Internet Explorer 6以降、 Safari 2以降、Opera 8以降、Netscape 8.1以降またはHTML 4.01/CSS level 1, 2をサポートしたWebブラウザでの閲覧をお勧めしております。このメッセージが表示されているサポート外のブラウザをご利用の方も、できる限り本文を読めるように配慮していますが、表示される画面デザインや動作が異なったり、画面が乱れたりする場合があります。あらかじめご了承ください。

本文へ戻る