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「値上げ」では解決できない!〜タクシー業界の過当競争体質

2007年11月27日

(桐原 涼=経営評論家)

供給過剰なのに値上げ?

全国でタクシーの値上げが相次いでいる。東京では12月3日から、初乗り料金が660円から710円に引き上げられる。東京地区の値上げ幅は、7〜8%程度である。また全国的には、さらに大幅な値上げを実施する地区もある。燃料費が高騰しているとはいえ、消費者物価全般が下がり続けていることを考えると、利用者から見た違和感は大きい。

確かにタクシー業界の経営は厳しい状況にある。国土交通省の「自動車運送事業の経営指標」によれば、タクシー事業者の平均利益率はほぼゼロとなっている。2002年の規制緩和により参入規制が自由化され、タクシーの車両台数は大幅に増加した。それに対してタクシーの利用客数は、低迷が続いている。タクシー業界は典型的な過当競争業界となっているのだ。

つまりタクシー業界の苦境の原因は、需要が低迷しているのに供給が増えすぎたことにある。経済の原則に従えば、値下げをして需要を喚起するのが自然だ。大田弘子経済財政担当相も、全国のタクシーの値上げ申請ラッシュに対して、「消費者の負担で解決するのは納得できない」と一時は難色を示した。

これに対してタクシー業界は、「タクシー運転手の賃金を引き上げ、生活を改善するために」と、格差是正を大義名分に料金値上げの必要性を訴えた。現在の日本には“格差是正論”に誰も逆らえない風潮がある。結局、大多数の地域でタクシー料金の値上げが認められた。

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