──「HABITA」は地産地消でやっていくわけですね。
三澤 地産地消を進めるために、全国にある15の工場に協力してもらうことになっています。最終的には47都道府県に工場を置きたいと思っていますが、最初は東北や関東、近畿など地域ブロックごとにやっていくつもりです。地産地消を進めていくことで販売単価を安くすることができます。
──どのくらい安くなるんですか。
三澤 私は3割減と言っています。大手メーカーが建てる住宅の価格は1坪あたり60万円台〜70万円台です。これが1坪40万円台でつくることができるようになります。
2000万円ぐらいの家の場合、柱や梁などの構造体にかかるコストは150万から200万円ぐらいです。650万円から700万円ぐらいだと思っている人がほとんどですが…。その差分は、販売管理費や宣伝広告費に充当される。「HABITA」の場合、いちばんの財産として残る構造体の部分に430万円ぐらいかけます。それでも販売管理費や宣伝広告費を抑えるので、全体額を1713万ぐらいに抑えられると試算しています。
これまで長くても30年程度で建て替えていた住宅が200年もつようになり、しかも販売単価が安くなるわけですから、願ったりかなったりという話ではないでしょうか。
──どのような仕組みで販売単価を安くするわけですか。
三澤 60万円〜70万円台の家というのは原価が50%、一般管理費が50%なんです。これに対してHABITAの家は原価を75%、一般管理費を25%にします。
原価については、安く造れるよう、設計上の工夫を凝らす。不要なものは使わない。天井も付けない。
天井のない家は冷暖房効率が悪いように思われますが、全館冷暖房にすればそれほど代わりません。日本の家は必要以上に密閉性にこだわってきました。本当にそれほど冷暖房が必要なのでしょうか。北海道のように冬の期間の長いところを別とすれば、基本的には冷暖房が必要なのはほんの一時期です。それなのに必要以上に密閉性にこだわると、逆に生活しづらい、息ぐるしい家になってしまうんです。 さらに天井は、細い梁など見栄えの悪さを隠す意味合いがあります。天井がなく、しっかりとした梁の見えている家は見栄えもいいという人が多いようです。
──なるほど。
何よりも安くなる理由は地産地消です。今日本の住宅メーカーは海外から木材を輸入しています。船を使い、複雑なルートを通って国内に運び込む。それをトラックなどで製材所や国内の目的地に運ぶ。1本の木材が、平均16万キロメートルを100日かけて旅すると言われています。16万キロメートルというのは新車を1台潰すだけの距離です。それだけの燃料も使うということです。これが住宅の価格に上乗せされる。家の価格というのは、3分の1は運賃なんです。
木材を運ぶ運賃をなんとか半分にできないか? ミサワホーム時代にも検討してきましたが無理でした。既存企業は、こうした仕組みを抜本的に変えることができないからです。ところが地産地消で木材を調達すると、だいたい運賃は10分の1になります。地元で材木を伐採し、地元で加工し、地元で使うからです。職人さんも近所の人を使います。
東京大学の生産技術研究所所長の山本良一先生は、「ファクター10」を提唱し、環境効率を10倍上げないとと地球が持たないといっています。例えばクルマの燃費を10倍高める。家の耐久性を高めて、10倍長持ちするようにする。私は住宅の面で、これを実現しようと思っているのです。
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