再編相次ぐ百貨店、成功ノウハウの移転・共有がカギ
(桐原 涼=経営評論家)
業界の勢力図激変
百貨店業界における企業再編の動きが急だ。先月は大丸と松坂屋ホールディングスが統合し、J.フロントリテイリングが発足した。そして今月は阪急百貨店と阪神百貨店が統合し、H2Oリテイリングとなった。さらに来年4月には、伊勢丹と三越の経営統合が予定されている(関連記事)。また西武百貨店とそごうの持ち株会社であるミレニアムリテイリングも、昨年7&Iホールディングスの傘下に入り、現在は7&Iグループの百貨店事業部門となっている。これで企業再編の渦中に身を投じていないのは、主要企業では高島屋だけとなった。
一連の再編劇により、百貨店業界の勢力図は大幅に変化する。来年度からは売上高1兆円クラスの4企業、「伊勢丹-三越連合」、J.フロントリテイリング、高島屋、ミレニアムリテイリングが、業界の覇権を競うことになる。

各社を再編に駆り立てるものは何か
百貨店業界で企業再編が一挙に進行している理由は、いくつか指摘できる。第1の理由は市場の成熟化だ。百貨店業界では、バブル崩壊以降市場の縮小が止まらない。近年は高級品消費が一部復活し、下げ止まりの傾向も見られるものの、売上高が回復に向かう兆しはない。縮小する市場の中で企業が生き残るために、業界再編は必然の動きと言える。

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