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いまこそ、日朝平壌宣言を両国が互いに履行する時期

2007年10月3日

(伊豆見 元=静岡県立大学教授)

 平壌宣言が、締結から5年を迎えた。拉致問題は依然として進展せず、6カ国協議では日本が置き去りにされているようにも見える。静岡県立大学の伊豆見元教授に、平壌宣言の意義を検証してもらうとともに、今後の日朝関係について分析してもらう。

2002年9月17日、小泉純一郎元首相は北朝鮮を訪問して金正日総書記と首脳会談をもち、「日朝平壌宣言」に署名した。そこから5年の歳月が過ぎ去ったが、日朝両国はいまだに同宣言を履行するには至っていない。

平壌宣言を両国が履行すれば、実りある関係を築くことができる

にもかかわらず、この間、双方は「日朝平壌宣言」を一方的に破棄することもなく、保持し続けている。北朝鮮は、日本が同宣言を「白紙化」したと事あるたびに非難しつつも、他方において、日本にその履行を執拗(しつよう)に迫ってきた。また、小泉政権の後を襲った安倍政権も、参議院選挙に至るまで「圧力」一辺倒の対北朝鮮政策をとってきたが、その一方で同宣言を破棄することはなかった。こうして「日朝平壌宣言」を、履行はしないが、互いにそれを完全に「死文化」させることも避けるという状況が、日朝間には過去5年間続いてきたのである。

奇妙と言えば奇妙な構図だが、今日に至るまで「日朝平壌宣言」が命脈を保ち続けてきたことの意味は、けっして小さくない。同宣言は「国交正常化を早期に実現させるためあらゆる努力を傾注する」とうたい上げている。そこに盛り込まれた内容を瞥見(べっけん)すれば明らかなように、今からでも「日朝平壌宣言」が着実に履行に移されるのであれば、それは日本の基本的利益に大いに合致することになるからである。拉致問題などの懸案事項が解決されるだけでなく、われわれは、わが国の安全を脅かさない存在に「生まれ変わった北朝鮮」との間に、「実りある政治、経済、文化関係を樹立する」ことが可能になる。

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