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プロミスと三洋信販、経営統合の波紋

2007年10月1日

(松崎 隆司=フリーライター)

消費者金融大手プロミスの100%子会社、朝日エンタープライズが、三洋信販に対して行ったTOB(公開買付)が9月13日に終了。プロミスグループは、三洋信販の総議決権379万2789個のうち361万9871個を取得して、同社を傘下に収めた。

これにより、融資残高で業界3位のプロミスと同7位の三洋信販が経営統合し、日本最大の消費者金融会社となる。

TOBの成立に伴い、三洋信販の創業者である椎木正和会長は辞任する。プロミスは三洋信販に対して5人の役員を派遣する。

なぜ両者は経営統合に踏み切ったのか。

グレーゾーン金利の返還をするよう求める判決が原因で、経営が悪化

三洋信販は、1959年10月に福岡県小倉市で(現北九州市小倉区)で創業した。その後、九州・中国地方など西南日本を中心に消費者金融業を展開し、1999年からは東日本への本格進出を開始した。また2002年4月にはマイカルカード(現ポケットカード)を子会社化。クレジットカード事業、保証事業、サービサー事業、金融周辺事業などに多角化を進め、急成長した。

三洋信販を取り巻く経営環境が大幅に悪化したのは2006年1月。

「過払い金返還訴訟」において、最高裁判所が1月13日と19日に判決を下したのが発端である。最高裁は貸金業法43条(みなし弁済規定)について、「利息制限法が定める制限利息を超過する利息を支払うことが事実上強制される場合は、借主が任意に支払ったとは言えない。したがって、有効な利息の支払とみなすことはできない」とした。

ここで過払い金の問題について簡単に説明しておこう。

最高裁は1968年11月の判決で「利息制限法が定める上限(15〜20%)を超える利息・損害金を支払った場合、過払い金を元本に充当することができ、完済後の過払い分は返還請求できる」と判断した。ところが、その後、1983年11月1日に施行された貸金業法は、出資法の上限金利(年29.2%)までの金利は、借り手が任意に支払った場合には、例外的に有効(みなし弁済)とした。20%〜29.2%までの金利をどう扱うか、グレーゾーンが生じたわけだ。

「みなし弁済」の適用に関する2006年1月の最高裁判決について、日本弁護士協会は会長声明において次のように解釈している。

「最高裁は本判決において、任意性の要件についても厳格に解釈する立場を明らかにしたが、それは、単に形式的な条文解釈を示したのではなく、みなし弁済規定自体の厳格解釈(平成16年2月20日判決)、貸金業者の取引履歴開示義務(平成17年7月19日)、リボルビング方式の場合での返済期間・返済金額等を契約書面に記載する義務(平成17年12月15日)を判示した一連の最高裁判決とともに、『利息制限法こそが高利禁止の大原則であり、これを超過する高利の受領は容易に認めるべきではない』とする司法府の立場を示したものと解される」(詳細

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