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郵政民営化〜民営化はゴールではなく企業改革のスタートだ

2007年9月26日

(桐原 涼=経営評論家)

郵政事業の未来

10月1日より郵政事業が民営化される。持ち株会社である日本郵政、およびその傘下の4事業会社(郵便事業株式会社、郵便局株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険)が、民間企業としてのスタートを切る。そして官営事業としての郵政事業は130年の歴史を終える。

民営化された日本郵政グループの行方は波乱含みだ。将来の不安の種も尽きない……政治の介入を受けて改革が頓挫する懸念、あまりにも巨大な民間企業の登場により市場が混乱する懸念、競合企業との競争に敗れ経営が成り立たなくなる懸念。

その一方でわれわれは、郵政事業の明るい未来も思い描くことができる。具体的には、事業の効率化が進む。サービスレベルが向上する。革新的な新商品やサービスを導入する、ことなどが期待される。そして日本郵政グループが顧客本位で高効率な企業に生まれ変われば、社会インフラとしての郵政事業の価値は、大きく向上するであろう。また郵政事業が国から独り立ちして生きていけるようになれば、国家財政によるリスク負担もなくなるし、株式放出や法人税などによる税収増も期待できる。さらに強大なライバルとして登場することで、各業界を活性化する効果もあるだろう。

ただしこのような明るい未来が実現するためには、日本郵政グループ各社が健全な民間企業として、きちんと収益を上げられる体質になることが不可欠である。この点は、グループ各社の今後の経営にかかる部分が大きい。郵政事業の未来には、明るい展望も、暗い展望もある。いずれにしろ、民間企業の経営は自己責任が原則だ。官営企業が、敷かれたレールの上を走るだけであるのに対し、民間企業は自社の未来をコントロールすることができる。まずは、新生日本郵政の健闘に期待したい。

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