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政局の肝は党・内閣改造人事 幹事長は二階氏か麻生氏か?

2007年7月31日

(浅川 博忠=政治評論家)

参院選の結果は、小沢民主党の1人勝ちとなった。安倍自民党と比較すれば、60議席対37議席。近日中に無所属当選者7人の過半が民主党入党するだろうから、この差はさらに拡大しよう。

とりわけ、1人区での惨敗(6勝23敗)が、自民党の大きな敗因となっている。1人区における敗因は、小泉、安倍首相時代に地域格差が一段と拡大したこと。安倍晋三首相の耳には、これらの地域住民の悲鳴が届かなかったわけだ。対する小沢一郎代表は、これらの1人区を何度も訪れ、悲鳴を聴き入れる姿勢に選挙前から徹していた。

開票日の深夜、筆者はニッポン放送の選挙特別番組のコメンテーターを務めた。自民党の安倍首相、中川秀直・自民党幹事長、青木幹雄・自民党参議院議員会長、民主党の菅直人代表代行、鳩山由起夫幹事長をはじめとする各党幹部と電話インタビューを行った。安倍首相に対しては「各地での遊説応援演説を、年金釈明の話から始めざるを得なかったのは辛かったに相違なかろう。これでは勝利に直結するわけがない」と問いかけた。「その通り」と安倍首相は素直に認めた。演説のテクニックとしては、釈明に関する事項は演説の中盤で行うのが鉄則であろう。

全体に目を転じれば、首相は選挙戦を通じて、総じて「国家」の行く方、戦後レジーム脱却に主眼を注いだ。一方で、「国民」生活への気配りが欠落していたと思われてならない。これもまた、小沢代表がいち早く「生活維新」を打ち上げていたのと好対照だった。こうした個所に岸信介元首相、安倍晋太郎元外相という大物政治家の血を受け継ぎ、純粋培養されてきた安倍首相の弱点が見え隠れしている。

岸元首相は自らの証言録の中で、「60年安保改正の直後にスパッと退陣したのは間違いだった。他の事もやるべきだった」と後述している。「他の事」が憲法改正であるのか否かは、今となっては定かではない。だが、安倍首相がこの祖父の遺志を受け、憲法改正に意欲を示しているのは周知の事実であろう。

早々に続投を宣言、ポスト安倍の有力候補は存在しない

投票日の翌7月30日に、安倍首相は党役員会で早々に続投を決め、その意志を記者会見で示している。

「先手必勝」の術に打って出た背景には、祖父の証言の影響を大きく受けていることがあろう。73歳で退陣した岸元首相に対して安倍首相は52歳。しかも首相に就任してたった10カ月。感情面でスパッと辞める気になれないのは当然の話であろう。

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