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東証が持株会社化、競争に勝ち抜く上場を目指して体制整備

2007年7月30日

(松崎 隆司=フリーライター)

東京証券取引所は8月1日、持株会社「東京証券取引所グループ」を設立。その傘下に、「東京証券取引所」と「東京証券取引所自主規制法人」を設置する。

これらはいずれも、2009年の株式上場に向けた準備措置だ。東証が上場を目指すようになったのは2001年11月。上場を前提として、組織の形態を会員組織から株式会社に移行することを決定した。その後、2005年に起こしたシステム障害などのため上場計画を一時凍結していたが、2006年から、再び上場に向けて動き出した。2006年6月22日には「上場制度総合整備プログラム」を策定、2007年3月27日には中期経営計画を発表している。

なぜ東証は上場を目指すのか。

東証が上場を目指す2つの理由

東証が上場を目指す理由は3つある。第1は運営資金を柔軟に運用できるようにすること、第2は意思決定を迅速にすること。そして第3は海外の他市場との提携、および、これに伴う情報システム開発資金を調達することである。

東証は2001年11月に上場するまで、115社(当時、現在は106社))の会員証券会社が納める会費を、システム開発費をはじめとする運営資金としてきた。収入が支出を上回った場合は、会員に還元した。しかし、この仕組みでは剰余金の積み立ても将来の投資のための内部留保もできない。例えば従来からの会員組織では、巨額のコンピュータ投資に対応できないのである。

しかも会員間の足並みがそろわない。「これまでのような証券市場での取り引きだけでなくM&Aなど新しい分野に力を入れる大手と、市場内でのブローカレッジやディーリングを中心に行なう中堅・小規模証券会社の間では市場運営に関する考え方において自ずと温度差が生じる。ところが会員組織は、全員一致が事実上の原則。そのため重要事項の決定がなかなかできないようになってしまった。それで意思決定システムの見直しを図らねばならなくなった」(東証の二木聡広報課長)

こうした事態を改めるため東証は、2001年11月、会員組織から株式会社に移行した。株式会社ならば、運営資金をはじめとするさまざまな決定を多数決で決めることが可能だからだ。そして「今後上場することで、さらに透明性を持たせたいという思いがあるのです」(東証の二木広報課長)

株式会社化した東証は当時の会員証券会社115社に2万株ずつを発行し、会員権と交換した。

そしてコーポレートガバナンスを強化するために、外部の学者など社外取締役を置いた。「証券会社に割り当てていた取締役のポストを減らし、外部から人を入れることで一般の声を反映させようと考えたからだ」(東証の二木広報課長)

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