閣僚の失言、不祥事疑惑相次ぐ
「実感なき景気回復」への反感、地域格差に対する不満といった底流の上に起こったのが、いわゆる「消えた年金」問題だった。さらに、閣僚の失言、不祥事疑惑問題が続いた。柳沢伯夫・厚生労働相の「女性は産む機械」発言(1月)に始まって、松岡利勝・前農林水産相の事務所費用疑惑(3月)、久間章生・前防衛相の原爆投下「しょうがない」発言(6月)、赤城徳彦・現農水相の事務所費用疑惑(7月)。直近では、麻生太郎・外務相の「アルツハイマーの人でも分かる」発言(7月)が注目を集めた。格差問題に悩む地方の人々のみならず、大都市部に住む人々も皆、安倍内閣に失望した。
「空気を読めない」安倍首相にお灸をすえる無党派層
相次ぐ閣僚の失言や疑惑に対して、安倍首相が的確な対応をしていれば、少なくとも首相への不信感はここまで募らなかったかもしれない。問題なのは、安倍首相自身の対応のまずさだ。赤城農水省の件では「適正に対処している」とかばい、久間前防衛相の失言にも「アメリカ側の論理を説明した」とかばったのは、ほかならぬ安倍首相である。
新潟県中越沖地震が、7月16日に発生した。安倍首相はその日のうちに被災地へ向かった。その迅速さが、選挙戦のプラス材料になることを自民党は期待しているかもしれない。だが、被災地に首相がすぐに行ったからといって、事態が劇的に好転するわけではない。むしろ、被災した東京電力柏崎刈羽原子力発電所で次々に発覚する問題(消火体制の不備や、データ消失など)によって、「国は何を考えてるんだ」というマイナス面のほうが目立っている。
こうした状況のせいだろうか。実は最近、永田町界隈で「安倍はKY」という陰口がささやかれている。「KY」という言葉は、私も知らなかった。どうやら「KY」は女子高生らの間で流行っている隠語。「空気(K)が読めない(Y)」人のことを言うそうだ(関連記事)。
お灸をすえるため、投票率が上がる
今回の選挙では、投票率が高くなるだろうと、私は予測している。政界には「亥年の選挙は投票率が低い」というジンクスめいたものがある。実際、1995年、1983年、1971年という亥年の参院選の投票率は、いずれもその前後に行われた参院選より投票率が低かった。そこで、私も数カ月前までは「今度の参院選の投票率はせいぜい50%程度」と考えていた。だが、新聞各社の調査を見るとどうも違う。おそらくは前回の56.57%をいくぶん上回る57〜58%になりそうだ。
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