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BM-25はグアムの米軍基地を攻撃可能、北九州の上空を飛行する

BM-25は核弾頭を搭載すれば、それほど高い命中精度は必要としない。スカッドやノドンと違って液体燃料を搭載したまま長期保存が可能だから、地下の固定式発射台(サイロ)への配備には都合がよい。ただし移動式にするなら、やはり燃料充填は発射直前に行わねばならない。

日本への攻撃には射程は1500キロもあれば十分で、それ以上は必要ない。グアム島の米軍基地を攻撃するには3500キロが必要だから、オリジナルのSS-N-6の射程距離2500〜3000キロでは届かない。そこで「射程を延ばしたのでは」という推測が出るのだが、それを北朝鮮が独自に行ったのか、外国(あるいは個人)の技術支援があったのかは分からない。

既に液体燃料型のノドンがあるのに、さらに液体燃料型のSS-N-6を基にしたミサイルを配備するというのも理解ができない。いきなりアラスカや米本土を狙える7000キロを超える大射程のミサイルを開発するよりも、まず手に入った技術を基に、グアム島攻撃を狙ったのなら理解は不可能ではない(不経済的ではあるが)。

BM-25で日本を攻撃する可能性は非常に少ないが、グアム島を攻撃するなら、その飛翔コースは西日本、北九州の上を通過するから、日本は集団的自衛権行使で議論になっている、米国向けに発射されたのか(それとも日本を攻撃するためか)分からない北朝鮮の弾道ミサイルを、飛翔途中で迎撃すべきか否かの一層難しい選択を迫られることになるだろう。

江畑 謙介(えばた・けんすけ)

軍事評論家。拓殖大学海外事情研究所客員教授。

1949年生まれ。上智大学大学院理工学研究科博士課程修了。

近著に、『情報と国家——収集・分析・評価の落とし穴』(講談社現代新書)、『米軍再編』(ビジネス社) 、『情報と戦争』(NTT出版)がある。

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