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北朝鮮のミサイル「BM25」、集団的自衛権の議論の的に

2007年5月22日

(拓殖大学海外事情研究所客員教授/軍事評論家 江畑 謙介)

4月25日の北朝鮮人民軍創立75周年記念式典のパレードで、世界が重大な関心を持ってきた弾道ミサイルが登場した。

4種類の弾道ミサイルが行進したと伝えられるが、北朝鮮当局はそのうち2種類の映像しか海外配信を許可しなかった。1つは西側で「スカッドC」(北朝鮮名は「火星6号」)、スカッドBの射程を約2倍(600キロ)に伸ばした型か、さらに弾頭重量を削って燃料を増やして1000キロ前後に伸ばした型で、全くの新型ではない。

固定燃料型の「SS-21」は、燃料を入れたまま移動し1分で発射できる

もう1つは西側が「SS-21」と呼ぶ、ソ連が80年代に実用化した弾道ミサイル(ロシア名は「9K79トチカ」)である。このミサイルがシリアから北朝鮮に渡ったという話は90年代の中ごろからあったが、その事実が初めて確認された。射程は120キロで日本に脅威を及ぼす能力はないが、固体燃料型である点と自走発射機がロシア製と異なる設計である点が注目される。

固体燃料ミサイルはスカッドのような液体燃料ミサイルと違って、燃料を入れたままで移動でき、発射地点に到達するとすぐに(1分以内に)発射ができる。もし北朝鮮がこのミサイルを国内で生産しているなら、固体燃料技術を持ったことを意味する。早晩日本に届く固体燃料型弾道ミサイルも開発されるだろう。そうなると、自走発射機が森の中やトンネルから出てきてすぐに発射できるから、「ミサイルの発射の兆候を探知したら」(自衛隊にミサイル迎撃の指示を出す)などという悠長なことはできなくなる。

液体燃料のスカッドでも、発射地点でミサイルを垂直に立て、燃料を充填して発射するまでに小1時間だから、発射前に探知、攻撃するのは実際には不可能なのだが、それが一層困難になる。

さらに自走発射機の運転台(キャブ)が、ロシア製と違って日本製のトラックに似ている点から、そこに日本製品や技術が使われている可能性が否定できない。

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