地域通貨としての評価を得たい
四つ目は、電子マネー・インフラの他社への提供である。nanacoの発行目標数は2008年5月までに1000万枚、WAONは同時期までに800万枚発行することを目指している。これだけの数が確保できれば、Suicaが家電量販店やコンビニに導入されていったように、nanacoやWAONがグループを超えて拡大することも現実味が出てくる。
なかでもイオンの岡田元也社長は2007年4月23日の日経流通新聞の記事のなかで「我々の電子マネーは、外に開放して地域通貨としての評価が得られるようにしたい」と語っているのは興味深い。
一方、セブン&アイは、セブン‐イレブンの目指すビジョンとして「中小小売店経営の近代化・活性化と大型店との共存共栄の実現」を掲げている。地元商店街との共存共栄を図るためのツールとして商店街の地元店舗にnanacoのインフラを提供していくことも想定しているのではないだろうか。
こうした取り組みは、電子マネー参入をきっかけとして地域の「流通業」から地域事業者や自治体も巻き込んだ「地域生活総合サービス業」への転換を意味することになる。たとえば、既存の電子マネーの例でいうと、ボランティア活動をするとPASMOにポイントがたまり、たまったポイントは区の施設利用に使える(世田谷区が予定)、子供がPASMOを使うと、その行動履歴が親にメール配信されるセキュリティーサービス(東急セキュリティ)、支払いと解錠キーをICOCA、Suicaといった電子マネーが兼ねるコインロッカーサービス(JR西日本、JR東日本)などの展開がそれにあたるだろう。
次回は、流通系電子マネーが生活者に与えるメリットを考察する(5月24日公開予定)。第1回「流通系の独自電子マネー、『nanaco』と『WAON』登場」はこちらでお読みいただけます。流通系電子マネーの関連記事は、こちらの特集ページへどうぞ。
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