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「東京ミッドタウン」の「オランジュ」でビールを飲んでいて、次に「サロンバー・ヨル」に移動することになったとする。しかしビールが余っていても、当然ビールは次の店に持っていけない。これが後者の『店舗ごとの規制』である。

この2つの問題に果敢に挑戦した意欲的なスペースがこの「丸の内ハウス」なのである。同スペースは8つのお店の集合体なのだが、パブリックスペースがパブリックスペースに見えないのだ。うまくデコレーションしているために、店と店の間が自然につながっているように見える。また巨大ミラーボールを設置したり、DJブースを置いて音楽をプレイしたりして居心地の良さを高めている。テーブルやイスも至る所に置かれており、お客はどこに座って飲もうと食べようと自由なのである。東京駅が一望できるテラスも併設。そこでも自由に飲食できる。

もちろん、ある店で購入したドリンクを片手に別の店に入店してもOKだ。さらに手ブラでお店のハシゴをしてもらうために、荷物を預かるクロークも用意。行きたいお店を選ぶ相談に乗ってくれるコンシェルジュまでいる。女性専用のパウダールームがあることもうれしい。

“街のゲストハウス”をテーマにした7階の「丸の内ハウス」には女性用パウダールームがある

店舗も、実に個性的な飲食店が集結した。「リゴレット ワイン アンド バー」は、銀座の「レストラン ダズル」を手掛ける新川義弘氏がプロデュース。“ワインセラー”を通路に使うことでレストランとスタンディングバーを分離させた設計がユニークだ。女性専用のスナック風バー「来夢来人」と無国籍料理「ムスムス」は、伝説のクラブ「ゴールド」や「MILK」をプロデュースした佐藤俊博氏による出店。他にイタリアン、和洋食、ダイニング、蕎麦屋などの店もある。

これらの店をお客が自由に行き来できるようにすることで、クラブやディスコに代わる出会いの場になる可能性も秘めている。まさに訪れるゲストそれぞれが、思い思いのスタイルで素敵な時間を過ごせる“街のゲストハウス”だ。同スペースが成功すれば“賑わいの創出”はもちろんのこと、今後の商業施設内飲食スペースに大きな影響を与えるのは間違いない。

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