バーゼル条約とは有害廃棄物の国境を越える移動や処分を規制する条約。80年代、欧州先進国からの廃棄物がアフリカの開発途上国に放置され環境汚染を引き起こした。これが大きな社会問題と化したことから、1986年3月、OECDと国連環境計画(UNEP)がスイスのバーゼルで起草。1992年5月5日から効力が発生し、2006年12月現在の締約国数は169カ国となっている。
鉛もバーゼル条約が定める有害廃棄物の対象となっている。このためブラウン管ガラスを輸出するためには何らかの対応が必要だった。
このとき産構審の委員としてDOWAホールディングスの関係者も参加していた。この委員が「うちは有害廃棄物の輸出ではなく、有害廃棄物を輸入してリサイクルすることができる」と発言。周囲を驚かせたという。
「『有害廃棄物を輸入したい』とはえらく変わった企業があるなと思われたようです」(仲氏)
そして「われわれは海外から鉱石を買ってきている。しかし鉱石以外のものも原料として求めたい」とDOWAホールディングスの委員は付け加えた。
もしこれが実現すれば、有害廃棄物の処理ができない国に対して貢献することができる。しかも日本の産業にも寄与することになる。
産構審の議論は、有害廃棄物の輸入に関心の方向を大きくを変えていったという。
環境省の仲介でバーゼル事務局と提携
さらに2005年、金属価格が暴騰。「何でも3倍から4倍、一部のレアメタルは10倍くらいに暴騰した」(仲氏)という。
すると産構審だけでなく、環境省の中央環境審議会までリサイクルに関心を持つようになった。環境省は、ケニアのナイロビで2006年11月27日から12月1日に行われたバーゼル条約締約国会議に参加。電気・電子機器廃棄物を適正に処理するための「E-Wasteプロジェクト」の最大の支援国となった。2006年度には55万ドルの支援を実施している。
「廃棄物というのは、どうしても都会から田舎、先進国から発展途上国に流れてしまう。だからそうした廃棄物は、どうしても発展途上国が処理しなければならない。そこで私たちは日本がアジア諸国に協力できるモデルを考えていた」(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課適正処理・不法投棄対策室、長谷川敬洋係長)
そこで議論の俎上に上ったのがDOWAホールディングスの貴金属リサイクル技術だった。DOWAホールディングスは、国内で携帯電話の基板を有料で回収し、貴金属リサイクルをしてきた実績がある。
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