北主導の南北統一図る北朝鮮、核は米国の中立をうながす鍵〜米韓同盟の変化を北朝鮮はどう見ているか?
(武貞 秀士=防衛研究所統括研究官)
マカオのバンコ・デルタ・アジアにある北朝鮮関連の資金問題に注目が集まり、6カ国協議のゆくえが不透明になっている。今後の日本の防衛に深くかかわる、もう1つの問題が米韓同盟である。1万2500人規模の在韓米軍削減が進行中であり、米韓連合司令部の戦時作戦統制権の移管と司令部解体の日が5年後の4月17日に決まった。米韓同盟の変化を北朝鮮はどう受け止めたか。日本とアジアにとっての意味は何かを考えた。
国連から米国へと移った作戦統制権が韓国に戻る
世界における米軍の再編が進んでいる。在韓米軍はブッシュ政権が発足したときは3万8000人だったが、2008年末までに2万4500人程度になる。
その後、戦時作戦統制権の韓国への移管作業が始まる。連合作戦を遂行する際の部隊指揮の権限である作戦指揮権は韓国軍にあったが、朝鮮戦争が始まった1950年7月、国連軍に作戦指揮権が移譲された。その後、1954年の米韓相互防衛条約で、「指揮権」は「統制権」に変更。1978年、米韓連合司令部が創設されたとき、作戦統制権は米韓連合司令官に引き継がれた。
90年代に入ると、統制権の韓国への移管が大きな流れになる。1994年には平時作戦統制権が韓国に移管された。盧武鉉政権になると、韓国は自主的な国防体制の構築を考えて、戦時作戦統制権を韓国に移管するよう米国に要請した。突然の要請に米国は驚いたが、できるだけ自国の力で国防を担いたい国家に対しては、その方針を尊重する考えの米国は、韓国との協議を開始した。そして2006年10月、米韓安全保障協議会で「2009年から12年の間に韓国軍に戦時作戦統制権を移す」ということで両国は合意した。
進む韓国防衛の韓国化、意欲的な国防計画を策定
このとき、「韓国の国防体制に問題が生じる」という議論が巻き起こった。なぜなら世界の国防専門家は、韓国は現時点では、北朝鮮を監視する手段を依然として米国に依存する以外ないと見ている。それに、精密な爆撃をするための攻撃能力は不足し、独自の作戦企画能力も不足していると考えている。
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