日興コーディアルの上場廃止議論は株主無視ではないか
(松崎 隆司=フリーライター)
東京証券取引所は3月12日、日興コーディアルグループが上場廃止基準に抵触しないとの見解を明らかにした。
証券取引等監視委員会が昨年12月18日、日興コーディアルグループに対して、傘下の投資会社が決算上の数字の取り扱いについて不適切な処理を行い、収益を187億円水増ししたと指摘(ニュースリリース)。日興コーディアルグループは、2005年3月期と2006年3月期の有価証券報告書を訂正すると発表した。これを受けて東証は、日興コーディアルグループを監理ポストに割り当て、上場廃止基準に抵触するかどうかを審査していた。
西室泰三・東証社長は3月12日の記者会見で「最終的にはこれまでの上場廃止事例、監理ポスト割当て解除の事例などを参考にしながら、日興コーディアルグループの事案につきまして、市場から退出を強制するに足る理由があるかどうかにつきまして、慎重な検討を重ねてまいりました結果、本日の結論を得たという経緯がございます」と説明している。
CSKとベルシステム24の対立が発端
日興コーディアルグループの不正経理は、コンピュータソフト会社のCSKとその関係会社ベルシステム24の内部対立が発端だった。
経営方針を巡ってCSKの青園雅紘会長と対立していたベルシステム24の園山征夫会長は、2004年7月20日、日興コーディアルグループ傘下の日興プリンシパル・インベストメント・ホールディングス(NPIH)に1042億円(520万株)の第三者割当増資を行なう決定をした。狙いはCSKの持株比率を39.2%から19.0%に引き下げること。
CSKは7月20日、第三者割当増資による新株発行差し止めの仮処分を東京地裁に対して申請。東京地裁は、7月30日にこれを却下。次の一手としてCSKは、8月2日、株主による議決権行使禁止の仮処分を申請した。
NPIHは日興コーディアルグループの孫会社で、日興プリンシパル・インベストメント(NPI)の100%子会社。NPIがベルシステム24に投資するために、2003年9月に休眠会社を買い取り、NPIHとして設立した。
8月5日、事態は転換。CSKはベルシステム24に対する方針を変更し、所有するベルシステム24の株式158万株を1株2万7000円(取得総額426億6000万円、支払日8月11日)でNPIHに譲渡する契約を締結した。議決権行使禁止の仮処分申請も取り下げた。
(全 4 ページ中 1 ページ目を表示)
あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください
この連載のバックナンバー バックナンバー一覧へ 画面先頭に戻る
- コンビニ業界に“神風”吹く (2008/09/17)
- 相次ぐ経営破綻、不動産業界激震 (2008/08/18)
- “午後4時”のテレビ産業〜落日の危機は近づいている (2008/07/15)
- 低炭素革命に備えよ! (2008/06/25)
- 環境への“免罪符”か? 流行の「カーボンオフセット」を問う (2008/06/23)

