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マイバッグ運動の限界

いま、自治体の中で最も高いマイバッグ持参率を誇るのは、5円のレジ袋税条例(未施行)で有名な杉並区である。レジ袋削減に関して「普及啓発で考えられるものはすべて実施した」という。その杉並区でさえ2004年度の持参率は31.8%である。これに対して、筆者は1996年、統計学的な研究を実施し、廃棄物学会誌に発表した。そのなかで、「レジ袋をその原価に近い3円に有料化すればマイバッグ持参率が6割に高まることを証明した。この割合は、レジ袋を5円にすれば7割、10円にすれば9割前後に達する」。つまり、現在の持参率を1割(日本チェーンストア協会会員企業におけるレジ袋辞退率は2005年度で13%)とすると、無料であるために、6倍のレジ袋が過大に生産されていることが分かろう。

今後の展望、レジ袋有料化実施店が相次いでいるようだが…

すでに、生協(2005年度調べで、全店舗の60.5%の684店)や、スーパーのオーケー、ビッグ・エー、サンディがレジ袋を有料化している。このほかに、スーパー大手イオンが、本年1月より京都市内のジャスコ東山二条店で1枚5円の有料化を始めた。カスミやイズミヤなどでも一部店舗で5円の有料化を始めた。

しかし、全国的に雪崩を打って広まるかどうか。新潟県佐渡市では、この4月から島内の全小売店で5円の有料化を実施しようとしたが、独占禁止法違反の疑いがあると指摘され、「袋代を自由に設定」に変えるという。

どこの店でも有料化しているドイツ、デンマーク、スイスでは、有料化の額は様々であった。ともかく、有料化以外の方法では、レジ袋の削減率は小さい。無料配布がレジ袋の乱用を招いている。それが、ひいては、道路に散乱し、最終的には海に流れて、生物に危険な誤食を強いていると筆者は見る。額は様々でよいから、レジ袋の無料配布だけはやめてほしいと切に願う。


■記事中、「国民1人1日当たりの一般廃棄物量は、1995年度の1105kgが2004年度は1086kgとなり」とあったのは、「国民1人1日当たりの一般廃棄物量は、1995年度の1105gが2004年度は1086gとなり」の誤りでした。お詫びして訂正します。

舟木 賢徳(ふなき・けんとく)

1952年2月6日生まれ。上智大学法学部法律学科卒。損害保険会社を経て、長崎で高校教師を勤める。その後、筑波大大学院環境科学研究科に進学。修了後、廃棄物調査研究会社に従事。その後独立して、環境経済・環境政策の面から、レジ袋などの使い捨ての問題やごみの散乱問題、霞ヶ浦の浄化問題など水問題の解決策をライフワークとして研究している。東京学芸大学講師を経て、現在、国際開発アソシエイツに所属。環境省・環境カウンセラー。2006年7月、10年間のレジ袋の調査研究の成果を『「レジ袋」の環境経済政策』(リサイクル文化社)にまとめて出版した。現在、2005年10月より2007年10月までの予定で、JICAのシニアボランティアとしてごみ減量とリサイクルを促進するため、タイ天然資源環境省・地方環境事務所1(チェンマイ)に派遣されている。

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