大丸・松坂屋が口火切った再編、次は三越か伊勢丹か
(松崎 隆司=フリーライター)
大手老舗百貨店の大丸と松坂屋が3月14日、経営統合することで基本合意した。
大丸は売上高で業界4位、松坂屋は業界8位。両社が経営統合することで売上高は1兆1664億円となり、業界トップに踊り出ることになる。
大丸は大阪心斎橋本店や梅田店をはじめ、京都、神戸など関西を中心に国内16店舗を運営している。松坂屋は名古屋本店や岡崎店、豊田店など、東海地方を中心に9店舗を運営する。両社は競合する店舗が少なく、相互補完性が高い。
「経営統合の目的は企業価値の最大化です」。
3月15日の記者会見で大丸の奥田務会長はこう語った。新会社は今後、「両社の人材、ノウハウ、保有資産、財務力など経営資源の最適活用を図り、スピード上げて、収益力と業務効率の一層の向上を目指す」(奥田会長)という。
少子高齢化で競争が激化
百貨店を取り巻く環境は非常に厳しい。日本百貨店協会加盟各社の売上高は1991年の9.7兆円をピークに、2006年には7.8兆円に減少した。少子高齢化の中で9年間連続の減少を続けている。個人消費市場は、今後もさらに縮小することが予想されている。百貨店間の競争は激化するいっぽうだ。
「生き残れるのはその地域の1番店か2番まで。あとは利益がなかなか上がらない」(流通業界関係者)
敵は百貨店だけではない。チェーンストア、専門店など業態を越えた競合も激化している。すでに大手チェーンストアのイオングループはダイエーと資本提携し、売上高6兆円を越える一大流通グループとなった。巨大なバイングバワーを背景に全国展開を進めている。
大丸は奥田会長が経営改革を推進
もちろん百貨店も、経営改革に向けて自助努力してきた。
大丸で経営改革に手腕を発揮したのは奥田会長だ。大丸オーストラリアで8年間社長を務めた奥田会長は、1995年に呼び戻されて取締役に就任。1997年には社長に就任して、店舗閉鎖や大幅な人員の削減、商品仕入れの本社一本化など経営の効率化を図る大規模な改革を断行してきた。
さらに札幌店の開店や、東京店・梅田店の増床といった設備投資を行ない、大丸の利益率を業界トップクラスに押し上げた。
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