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改正官製談合防止法施行と統一地方選が“土建国家”を打ち崩す

2007年3月13日

(千葉 利宏=フリー経済ジャーナリスト)

 独占禁止法によるゼネコン包囲網が一段と強化されてきた。名古屋市の地下鉄工事の談合事件では2月、独禁法違反容疑でゼネコンから初めての逮捕者が出た(関連記事)。改正・入札談合等関与行為防止法(いわゆる改正・官製談合防止法)も3月14日に施行となり、地方公共団体での一般競争入札導入が待ったなしとなる。今後は大手から地方ゼネコンまでを巻き込んだ価格競争の激化が避けられない。4月の統一地方選挙を経て、“土建国家”を支えてきた利益誘導型政治が一気に弱体化することも予想される。

名古屋市の地下鉄工事で威力を発揮した改正・独禁法

「さすがに大手も、これで談合はやれなくなっただろう」。国土交通省総合政策局の大森雅夫審議官は、名古屋市の事件発覚に驚きを隠さない。

2006年1月に施行された改正・独禁法は、建設業界では大手・準大手クラスのゼネコンに大きな影響を与えるものだった。談合などの違法行為を行った企業への課徴金を、該当する工事の売上高の6%から10%へと大幅に引き上げたのだ。ちなみに、中小に対しては3%を4%に引き上げた。同法の施行を前にした2005年12月、鹿島、清水建設、大成建設、大林組のゼネコン大手4社は、堪らず談合決別を宣言した。しかし今回の事件で、その後も受注調整していた実態が明らかになった。

「大手は本気なのか?」(準大手ゼネコン首脳)。当初から業界内部では、決別宣言をいぶかる声が少なくなかった。一朝一夕に建設業界から談合をなくすことは難しいかもしれない。しかし、名古屋市の事件発覚で、独禁法の存在が一段と重みを増すのは確実だ。改正・独禁法は課徴金の率を引き上げると共に、立ち入り検査前に情報提供した企業に対して、課徴金を免除する制度を導入した。最初に情報提供した企業の課徴金はゼロ。2番目は50%減、3番目以降は30%減。今回はハザマが最初に告発したと言われている。つまり、鉄の結束を誇ってきたゼネコンから、抜け駆けする企業が現れ始めたのだ。

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