東京ガールズコレクションはアパレル事業の救世主となるか
(文/写真=畠中 茂)
いまファッションショーが様変わりしている。チケットを購入したり、応募したりさえすれば誰もが楽しめる参加型ファッションイベントが増えているのだ。これまでは、プレタポルテのように、マスコミ関係者や評論家といった業界関係者だけを招待するものが主流だった。参加型ファッションイベントが誕生するきっかけとなったのが“リアルクローズ”であり、火付け役が「東京ガールズコレクション」である。東京ガールズコレクションの歴史を振り返りつつ、参加型ファッションイベントがアパレルビジネスにどう影響を与えているかを探った。

2万人を超える観客であふれかえった会場の横浜アリーナ。手前側に見える白い屋根が各企業の出店ブース
“リアルクローズ”をメジャー化させた「東京ガールズコレクション」
昨年から今年にかけて実に多くの参加型ファッションイベントが行われるようになった。なかでも多いのは、通称“赤文字雑誌”と呼ばれる人気女性ファッション誌が主催するものだ。「CanCam」や「ViVi」をはじめ、「GLAMOROUS」、「PINKY」、「BLENDA」などの雑誌名が主催者として並ぶ。加えて、アパレルブランドが独自に主催するイベントもあれば、ファッションビルが主催するイベントもある。新宿「MY CITY」は、店舗改装に合わせて、参加型のファッションイベントを実施した。大学生主催のパーティでも、いまやファッションショーが目玉になりつつある。
この参加型ファッションイベントブームの火付け役が、ひなまつり(2007年3月3日)の日に第4回目を迎えた「東京ガールズコレクション」だ。このイベントについて説明をする前に知っていてほしいのが“リアルクローズ”である。ひとことで言うと女性たちの“普段のお洒落着”のこと。東京・渋谷のファッションビル「Shibuya109」のショップに集う今どき女性の洋服全体を指す。その市場規模は数百億円とも言われ、アパレル業界でも注目の的になっている。
ところがリアルクローズは数年前まで、そんな強力なパワーを持つにもかかわらず、一般的な認知や評価が低かった。1着20万円や30万円もするハイファッションに対して、リアルクローズは、その反対に位置する若い子が着る安い服でしかなかったのだろう。しかし、台頭してきた若手デザイナーたちが、その卓越したデザインとセンスを盛り込んでリアルクローズを磨いた。そして、日本発のファッションとして開花させた。
このリアルクローズが持つ魅力と大きな可能性にいち早く気付いたのが大浜史太郎氏である。女性向けケータイファッションサイト「girlswalker.com」を運営するゼイヴェルの社長だ。大浜社長は「日本のリアルクローズは世界に通用するポテンシャルを秘めている。いずれ世界に向けて発信できる」と話す。この持論を証明するためにもリアルクローズを広く一般にお披露目する場が必要であった。それが「東京ガールズコレクション」だったというわけだ。
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