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アナログ放送の「跡地」に携帯電話会社が殺到

2007年3月5日

(松崎 隆司=フリーライター)

NHKと民間各局は、2011年7月24日をめどにアナログ放送から地上デジタル放送へ移行するべく、準備を進めている。これに伴ってアナログ放送は停止。これまで使っていた帯域の一部(90〜108、170〜222、710〜770メガヘルツ)が空くことになる。

このアナログ放送の「跡地」は、地上波のテレビが現在使っている帯域の3分の1に相当する。総務省はこの帯域の使用について「テレビ放送以外の放送や移動体通信で利用することができる」(総務省・電波政策課関係者)と説明している。「跡地」の利用を巡って、携帯電話会社が水面下でし烈な争奪戦を展開している。

携帯電話会社はワンセグ対応機を作っても儲からない

総務省は2006年3月、この「跡地」の利用法について検討するため「電波有効利用方策委員会」を立ち上げた。これに先立って、「跡地」の利用についての意見を一般から公募してもいる。「公共的な目的に使ってはどうか」、「緊急時の連絡に使ったら」など149件の提案が上がったという。

このような中で、この「跡地」を虎視眈々と狙うのが携帯電話会社だ。

すでに携帯電話各社は、「ワンセグ」の技術を使い、携帯電話で地上デジタル放送を受信する体制をつくり上げている。

しかしこれをビジネスベースに乗せるのは、そう容易なことではない。携帯電話会社の関係者は「ワンセグはテレビ局の放送を移動体端末で受信する無料サービス。そのため携帯電話会社にとっては利益にはつながらない」。

携帯電話会社の経営環境は厳しい。携帯電話は本来5万〜6万円すると言われている。しかし、その販売価格を引き下げるために、1台あたり2万〜3万円のインセンティブを付けて販売している。そのため利益率が大きく低下する。

そのうえ、新サービスを提供するにはさらなる設備投資が必要となる。「ワンセグのチューナーセットを載せるだけでも1台当たり1万円ぐらいのコストアップになる。だから携帯電話社は、機能追加にかかるコストアップを吸収し収益を上げられるビジネスモデルを求めている」(同)

現状打破を目指す米クアルコムが「Media FLO」を開発

そんな中、現状打破を目指して、米クアルコムが「Media FLO」という仕組みを開発した。

クアルコムジャパンの担当者はこう説明する。「Media FLOと従来方式との根本的な違いは、Media FLOが移動体通信に対して最適化された技術であることです」(同社の小菅祥之ビジネス開発マネジャー)

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