2007年展望:経済編 4つの構造変化の先を読め
(内藤 忍=マネックス・ユニバーシティ社長)
2007年新春企画として、今後の経済・政治を展望するコラムをお届けします。コラムの途中に、2007年のトピックに関するアンケートを用意しました。コラムと共に、こちらもお楽しみください。
第1弾は、マネックス・ユニバーシティの内藤忍社長による経済展望です。(nikkei BPnet編集)

年末になるとマネー誌や経済誌では、新年の予想特集が誌面を飾ります。予想記事から投資のヒントを得ようとしている個人投資家の方も多いと思いますが、このような予想は果たして「当たる」のでしょうか。過去の予想記事を後から検証してみると、新聞や雑誌に掲載してあることを鵜呑みにするのが危険であることが分かります。
例えば2005年の年頭、ある新聞が、各界の専門家20人が予想した日本株式の1年の動向を掲載しました。多くの専門家の日経平均の予想は、年初に1万円前後の安値をつけ、年末に1万3000円前後の高値に向かうという意見でした。ところが実際の相場は、年後半に急激に上昇。12月末には1万6111円で引けました。前半安く後半高い、という値動きは予想通りだったものの、ここまでの上昇を予想した人は誰もいませんでした。
株式に限らず、予想記事を検証してみるとその結果に驚きます。後から検証する人はほとんどいないので、毎年このようなあまり役に立たない予想が繰り返されるのです。
短期予想には限界がある
予想が外れたことを非難しようというのではありません。知識や経験のある専門家であっても市場を的確に予想することは非常に難しいということです。これはプロ野球評論家がペナントレースの6球団の順位を予想してもほとんど当たらないのと同じです。
予想が当たらないのは、短期間のうちにマーケット環境に大きく変化することが珍しくないからです。例えば2005年と2006年を比較してみましょう。2005年は日本株式が好調でTOPIXは45%近い上昇を見せましたが、2006年はほぼ横ばいとなっています。一方で、2006年はBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)などの新興国の株価が大幅上昇。ロシアや中国の株式に投資した場合のリターンは、円ベースで60%以上になりました。欧州の株式市場も2割から3割上がっています。2005年は日本株式、2006年は外国株式がベストな投資先という結果だったわけです。
10年単位で見ても同じことが分かります。表1は1994年からの資産別のリターンを一覧にしたものです。これを見ると過去のデータから将来を予想することの難しさが理解できると思います。その年に最も高いリターンの資産(赤色)と最も低いリターンの資産(青色)には連続性も規則性もありません。
(拡大)
1年前に現在のマーケット環境を予想できた人は果たしていたのでしょうか? 2007年を2006年の延長で考えると危険であることがお分かりいただけるでしょう。
実は短期の予想は長期の予想に比べて難しく、事実上困難と言えるのです。
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